ぞっこん【宮侑】

風邪 ページ17

シューズの擦れる音が体育館に響く。

「はあっ、はあっ､､､」

バレーサークルにもだんだん馴染んできて、試合にも出してもらえるようにもなった。
でも。


ーーなんか、今日、おかしい､､､？


息切れが激しくて、少し荒く動くと頭がズキズキと痛む。
ジャンプサーブもうまくいかないし、トスしようとするとボールが二重に見える。
風邪なのかな、それとも寝不足とか？
もやもや考えているうちに3対3の試合形式が始まろうとしていた。

「Aちゃーん、おいでー！」
「はい」

大きい声が出ない。

なんか､､､､､､フラフラする？
ぐわん、と視界が揺らぎ、よろめく。

「え、大丈夫？顔赤いけど､､､」

私を呼びにきた先輩が私の顔を覗き込んでいぶかしげな視線を向けた。

「だ、だめかもです､､､。あの、今日もう帰っていいですか､､､？」
「う、うん、無理しないで？」

こういうときに、無理は禁物。
私はそれを知っているから。






　






私は、マスクをして、1人家路についた。

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