物理。拾漆 ページ19
窓から差し込む柔らかい日の光に当てられて目を開ける。
ここは蝶屋敷の一部屋だ。
『あ、おはようございます不死川さん』
「……ああ」
寝れば昨日のお説教から態度を切り替えて接してくれるのが不死川さんだ。
私たちは協力して布団をたたみ、近くに置いてある椅子に座る。
「今日、何かしたいことあるかァ？」
『……んー、私は不死川さんのお屋敷でゆっくりしたいです』
すみときよが持ってきてくれた朝餉をしっかりいただいた後、蝶屋敷を出る。
相変わらず手は繋がったまま屋敷まで歩くけど、それも今日までで明日には離れていると思うと寂しい気もする。
まさか、不死川さんを好きになるなんてあの時は微塵も思ってなかった。
そう考えれば私、好きとも言ってないのに恥ずかしいこと言いまくってるな。
��不死川さんみたいなひとがいいです��
��嫌いにならないで��
『あああああああああ！！！』
「うるせェ！！」
嫌なことほど思い出してしまうもので。穴があったら入りたい。穴がなくても掘って入りたい。
不死川さんは私が心の中で悶えている間にも普通に歩き続ける。
この人には羞恥心というものがないのか？
いや、あるな。初日の夜、好きな食べ物聞いたら恥ずかしそうにおはぎって言ってたっけ。
『ぶふっ』
「…テメェ大声出したり急に吹き出したり忙しいなァ…」
引かれてしまった。でも心なしか笑ってるから怒ってはいないんだろう。
屋敷に着いて居間に座る。
その時、玄関で物音がした。
『あ、誰か来ましたよ』
「そうだなァ」
立ち上がり扉を開ければ、目に入るのは深い藍色の瞳。
「…………冨岡ァ……何の用だァ…………」
『あっ冨岡さんどうされました？』
「おはぎを持ってきた」
そう言って差し出されたのは有名な甘味処の包み。ふわり、と心なしかあんこの匂いがする。
甘い匂いに頬を緩ませる私と、こめかみがヒクつくいている不死川さん。
『上がってきます？お茶出しますよ』
「テメェ自分の家みたいに言いやがって…」
「……(不死川と仲良くなれるかもしれない…でもこれから任務だから)いや、いい」
私が手を振れば小さくふりふりと手を振り返し、冨岡さんは元来た道を戻って行った。
未だ苛ついている不死川さんを居間に引き摺り、包みを開ける。
『わ、これ美味しいところのやつですよ…冨岡さんに感謝ですね』
「……チッ」
『でも食べるんでしょう？』
そう言えば彼は仏頂面で一口食べる。
あ、ちょっと笑った
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ナイトウルフ(プロフ) - 最後、、、！一気に読んじゃいました(笑)さねみんイケメン…この話が現実になればいいのにｯｯｯ 素敵な作品をありがとうございます！！ (2022年2月13日 1時) (
レス) @page28 id: 1bd66c2c15 (このIDを非表示/違反報告)
aya(プロフ) - 夢中になって読みました！ 他の柱の物理も読みたいですーーー！ (2020年12月3日 0時) (レス) id: 1c30a1e22f (このIDを非表示/違反報告)
闇ちょこ(プロフ) - 番外編のおばみつちゅき(( (2020年7月31日 14時) (レス) id: e0b0a3b941 (このIDを非表示/違反報告)
銀時 - 凄い面白かった！天元が爆笑してるの想像したらめっちゃ笑えてきた！ (2020年4月24日 3時) (レス) id: 6c694a1b22 (このIDを非表示/違反報告)
瀬田 - 幸せです (2020年3月24日 22時) (レス) id: 2c549b1da3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：空風まりも | 作成日時：2019年12月14日 20時
