物理。参 ページ5
「お館様も、お元気そうで何よりです。益々のご多幸を願っております」
「ありがとう小芭内」
顔は見えなくても、伊黒さんが少し嬉しそうなのがわかった。
でもそんな事より、心配すべきは私たちのことだ。
「それで…本題に入ろうか。実弥、A」
『はい！』
「しのぶから聞いた通り、手が離れないみたいだね」
そして、お館様の口から柱のみんなに詳細が伝えられた。
「一週間様子を見るしかないね。じゃああとはみんなで任務の割り当てを決めてくれるかな？」
「御意」
お館様が退出されると、伊黒さんのネチネチが始まった。
「柱二人が雑魚鬼の血鬼術でこのザマか？全く不注意にも程があるだろう、情けない。当然の報いだ」
『…何も言い返せません』
そうしょげていれば宇髄さんが私と不死川さんの背中をバシバシ叩きながら慰めてくれる。
かなり痛い。不死川さんは痛みに耐性があるからか嫌な顔だけで反応はしないが。
「まあまあ気にすんな、お前らはどうにか手ェ離れるように頑張れや！
もしかしたらこれから恋仲に発展するかもしれねぇし楽しめよ！！」
そんなみんなのイジリと煽りに耐えきれなくなったのか、不死川さんは私を引っ張って屋敷を出てしまった。
『いたい、痛いですって不死川さん』
「これからどうすんだよ、コレ」
言われてみて全然その後を考えていないことに気づく。
取り敢えず家に戻って荷物をまとめ、不死川さんの御屋敷に邪魔することになったのだが…
そこで問題が発生する。
…厠に行きたい
「…オイ、どうしたんだよ、何もじもじしてやがる」
『…えっと…そのぉ…』
「はっきり言えや」
『厠に行きたいです』
「はァ！？」
はっきり言えと言われたので恥を捨てて言ったのだが、そこまで驚かれるとは…
そして左手しか空いていない今、恥ずかしいことに同席するわけでして。(言い方)
『絶対見ないでくださいね！！』
「誰が見るかァ！！」
…まあ問題は次から次に出てくるわけで。
昼ご飯を食べる時も。
私は左手しか使えないので。
ずっと右で持ってたのに、左で箸使える訳もなく。
「ほら早く口開けろや！！」
『はっ恥ずかしいんですよ！！』
そう言っているとむぐ、とご飯を口に突っ込まれる。
待って。これ。
『…今、不死川さん自分の箸でやりました…？』
そう聞けば、固まった不死川さん。
真っ赤になる私。
こんな恥ずかしい生活、一週間もできる気がしません。
助けて蜜璃ちゃん！！
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ナイトウルフ(プロフ) - 最後、、、！一気に読んじゃいました(笑)さねみんイケメン…この話が現実になればいいのにｯｯｯ 素敵な作品をありがとうございます！！ (2022年2月13日 1時) (
レス) @page28 id: 1bd66c2c15 (このIDを非表示/違反報告)
aya(プロフ) - 夢中になって読みました！ 他の柱の物理も読みたいですーーー！ (2020年12月3日 0時) (レス) id: 1c30a1e22f (このIDを非表示/違反報告)
闇ちょこ(プロフ) - 番外編のおばみつちゅき(( (2020年7月31日 14時) (レス) id: e0b0a3b941 (このIDを非表示/違反報告)
銀時 - 凄い面白かった！天元が爆笑してるの想像したらめっちゃ笑えてきた！ (2020年4月24日 3時) (レス) id: 6c694a1b22 (このIDを非表示/違反報告)
瀬田 - 幸せです (2020年3月24日 22時) (レス) id: 2c549b1da3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：空風まりも | 作成日時：2019年12月14日 20時
