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「もしAちゃんがあいつに捨てられたり嫌な思いさせられたりしたら、真っ先に俺のとこに来てね？」
捨てられるなんてこと想像したことなかった
オッパが私を？
でもよく考えたらあのビジュアルで今まで女を捨てたことがないっていう方がおかしい
認めなくないけど、普通にありえることだった
オッパ、お願い
早く回復して私を当たり前のように愛して…
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とうとうクリスマスイブになってしまった
あたりは真っ白の雪が積もっていて朝日にきらきら照らされている
ということは、オッパと私が計画していた旅行は無しに
だってオッパにも会えないし回復しているかどうかすら知らない
それにパスポートすらとってないから
『はあ…』
オッパのお母さんに言われたことを思い出す
ヤクザの女に危険は伴うっていうこと
人質なんて"危険"のスケールが想像の斜め上を行ってた
でも、妻になったらもっとそういう機会が増えるんだろうな
その覚悟が本当にあったの？私
もう二度とこんなこと経験したくないよ
朝ごはんを食べ終わったタイミングで
その時は突然きた
外の方が騒がしい
ここは山奥だから、人の音や物音がすぐに聞こえるの
「Aさん、こっちに来て！」
この声は、
『ジョンインさん？！なんで？！』
「説明する暇はないから早く！！！」
腕を強く引っ張られた
夢中でジョンインさんについていく
どうやってあの強力な監視と見張りの壁を越えたんだろう？
裏庭のフェンスを越えて、黒塗りの車に急いで押し込まれた
見慣れた車で安心する
ヤクザ特有のこの車に見慣れてしまったのもあれだけど…
『うわっ』
ふと後部座席に私とジョンインさん以外の人がいることに気づいた
もしかしてオッパだったりする？
迎えに来てくれたとか？
よくよく目を凝らして見ると、誰かわかった
「久しぶり、Aちゃん。セフンくんじゃなくてごめんね」
実父である、林星組の組長さんだった
「無事で良かった」
父親にぎゅっと抱き締められた
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作者名：もか | 作成日時：2024年3月13日 20時
