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クリスマスまであと一週間
オッパが撃たれて三週間
相変わらず会うのはチャニョルさんと家政婦さん、見張りの男の人たちだけ
今日はチャニョルさんが来ていて、一緒に映画を観ようって誘われて２人でソファに座っている
海外のラブロマンスもので、時折流れてくるジャズピアノが男女の関係性を影ながらに表現していた
キスシーンにかかったときぽつりと言われた
「俺はAちゃんが好きだよ、最初から」
そうだったの？知らなかった…
「もし俺がセフンより先に出会ってたら、Aちゃんは俺を好きになってくれてた？」
って大きな瞳で見つめて聞いてきた
チャニョルさんといたらすごく楽しい
私はいっぱい笑っていると思う
じゃあオッパといる時はたくさん笑ってる？
私がオッパを好きな理由は何？
【一目惚れだったんだよ】
あのホテル、あの朝
私が初めてを捧げた時オッパに言われたことを思い出した
そうだ、私も一目惚れだったんだ
チャニョルさんに対してはそれがなかった
オッパは第一印象が強烈で、頭から離れなかった
なんせいきなり肩を掴んで私を問い詰めたくせにプレゼントまでくれたから
今思い返せば一目惚れだったんだと思う
彼が来店するたび嬉しかったし、特別扱いしてくれてるんじゃないかって自惚れるほど彼の沼にはまってた
〈好き〉とかそんな理性的なことは関係ない
ただ、〈好き〉と〈惚れる〉は全く違う
"私が"彼に惚れてしまって、たまたま"彼も"惚れていたから付き合えた
『私は、それでも』
「分かってる。いいよ、言わなくて。ごめんね」
なんで謝るの？悲しそうに無理して笑わないでほしい
涙で視界が歪んだ
抱き締めてくれる時に感じる独特の低い声
同じ柔軟剤を使ってるはずなのに彼特有の甘い匂い
寝るときに見る龍の刺青
行為の時にくれる甘い言葉
いろんな甘い日常が思い出されて、恋しくなって、我慢できなくなった
『まだ思い出になってほしくない…』
たくさんの出来事が思い出になってしまいそうで、恐くなった
たぶんチャニョルさんにも聞こえてる…
「…分かってるよ」
私に向けた言葉だけど、自分に言い聞かせてるようにも聞こえた
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作者名：もか | 作成日時：2024年3月13日 20時
