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「Aちゃん。かわいかったよ」
一通り終わって、お布団の中でぎゅっと抱きしめてくれる
オッパは腕枕しながら頭を撫でてくれた
二の腕を私の頭の下に、肘を曲げて手は私の頭に
『あ』
「ん、どうしたの」
オッパの胸が見えた
『その刺青、見たことないです』
「あぁ、これ？」
オッパが指差したのは心臓あたりに咲く白百合の刺青
「これはね、Aちゃんと別れる覚悟をした時に彫ったやつだよ」
『え、？』
「俺の心は永遠にAちゃんのものだから」
別に
『そこまでしなくても……』
「いや、もうこの人生Aちゃん以外の女の人を愛するつもりはないから」
そんな言葉信じていいんだろうか
彼だってまだ22歳の若者なのに、そんな若気の至りのような言葉と行動を信じていいのかな
女性は皆彼に惹かれると思う
これは彼のことが好きでそう思ってしまうとかではなくて、客観的に見ても容姿、振る舞い全てが完璧だから
大学生なんだからそれなりに誘われただろうし、遊んでたりしてたのかも
でもほぼ毎晩お店に来てくれてたくさん私を楽しませてくれた
付き合ってからも他の女性を感じさせることはなかった
『オッパはどうして私を選んでくれたんですか？』
オッパを取り巻く数多くの女の中から私を
「全部が好きだから」
『そうじゃなくて』
「んー容姿？雰囲気？純潔なとこ？
あ、でも決め手は初対面のときだよ」
肩掴んできた時？
「あのときAちゃんを見てびびっときたんだよね
あ、この人はこれからも一緒にいるかも、みたいな」
結局は感覚なのか
まあちょっと嬉しいや
『オッパは他の女の人にやっぱりもてますよね？』
「もしかしてやきもち？かわいー」
『そうじゃなくて本気で答えてください！』
「もてる、いっぱい誘われるもん」
『え、』
しれっと言ってきたけど、聞くんじゃなかった
「でもAちゃんがいるから全部断ってる」
本当…？
「本当だよ
ほら、今まで俺の時間全部Aちゃんに費やしてきたじゃん
逆にAちゃんが他の男に取られないか心配」
『私はだいじょ、』
「大丈夫じゃない。チャニョルに狙われてた
…あ、まさか襲われてはないよね？」
『………え』
「何、今の間」
やばい、逆鱗に触れた
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作者名：もか | 作成日時：2024年3月13日 20時
