【EXO】白龍ーーーsehun 2 (ページ36)

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30. 現実ページ36

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しつこくついてきた男の人達が1人、2人と倒れていった

目の前で人が勢いよく殴られているのを見るのは初めてで少しびっくりしてしまった

『なんで…』

なんでここにいるの？

なんで助けてくれたの？

彼と目が合う

夜の光に照らされて顔が白く浮かびがっていた

昔風の表現だけど、"白龍"って言われている理由が分かったかも

「やっとAちゃんを守れた」

『セフンさん…』

すごく満足そうな顔で、オッパは微笑んでた

【現実】

『オッパ…なんでここにいるんですか？』

「とりあえず落ち着いて話したい

一緒に家に帰ろう」

『わっ』

手首をぐっと引っ張られて変な声が出てしまった

"家に帰る"ってオッパの家に？

もしかして記憶が戻ったのかな？

私が知っている表情だ

オッパの身長が高すぎて見上げると首が痛くなるこの感じ、すごく懐かしい

すたすたとオッパのグレーの車に連れていかれて、助手席のドアを開けてくれた

そしてシートベルトも私１人でできるのにしてくれる

かつてのように

「寒くない？」

『さ、寒くないです』

「………華奢だから」

運転席に乗ったオッパは、後部座席に腕を伸ばして膝掛けを出してくれた

前にかけてくれたやつまだあったんだ…

オッパは運転を始めると同時に音楽を流し始めた

英語だから歌詞は分からないけどきっとラブソングなんだろう

「車で聞くラブソングっていいよね」

『え？』

急すぎてびっくりした

オッパの接し方が付き合ってた頃と同じすぎて少し期待してしまう

『セフンさんは記憶が戻ったんですか？』

「んーそれは家に帰ってから話すね」

え、それだと家に着くまでどう接したらいいの？！

でも、まずい

気まずいとかそんな感情以前に、眠すぎる

だって今仕事終わりだし深夜の2時なんだもん

深夜の車ってゆりかご作用があるし、素敵な曲が流れてるし、オッパも何か話してるみたいで低い声に安心しちゃうしでうとうとしてしまう

付き合ってた時と何も変わらず話してくれるけどこれって夢なのかな？

5秒だけ寝ちゃおう………

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