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真冬の夜は寒い
それでもこんなに綺麗な星空を見るのは初めてで、" 寒い "という感覚を忘れてしまったみたい
『山奥だからこんなに綺麗なのかな………オッパ…』
今すぐにでも目の前に現れてくれたらいいのに
ハワイじゃなくても一緒に綺麗な星空を見られたらいいのに
今どこでどうしてるんだろう
まさか死んじゃったりしてないよね……？
目線を空から真正面に下ろすと、目の前の森林が視界に入る。いわゆる敷地外
目線を真下に下ろすと庭が見える
昼間はそこで見張りがうろうろしていたけど今はいない
部屋の電気は消されてるから、監視カメラから私は見えないかも
_______魔が差した
だてに去年まで現役高校生で運動部に入っていたんじゃない
運動神経には自信がある
逃げよう
手すりに足を乗せて、思いっきりとんだ
心臓はバクバク言っていて、ただ着地することだけを考えた
家のフェンスからはぎりぎり越えられている
『やったぁ…』
なんとか脱出成功だ
途中枝で頬を切っちゃったみたいだけど、それどころじゃないから
どこか近くに民家があった気がする
移動中にここに着く直前民家を見た
とにかく必死に走り続けた
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なんとか光が見えてきた
けど、寒すぎて指先と足の感覚がない
凍えちゃいそう…
『あっ…』
足から崩れてしまった
地面は土と木の幹ででこぼこだし足の感覚がなくてこけた
どうしよう、あとちょっとなのに
急に止まったから汗が一気に流れてくる
どんどん体が冷えていく感覚
まずい。このまんまだと凍死する
立て、私
お願い、立ち上がって
そう願っても足は言うことを聞かない
あ…もう駄目だ……
瞼を閉じてしまった
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KAI side
セフンはそのまま手術して一命をとりとめたけど、まだ意識は戻らない
ここで意識が戻るか戻らないかが鍵になるらしい
出血が酷かったから、意識が戻ったとしても後遺症があるかもしれないそうだ
「お前彼女と旅行行くんじゃなかったのかよ、目ぇ覚ませよ…」
あんなに嬉しそうに話してたのに
それでも顔は白いまま
ただでさえ色白なのに、ここまで白いと人間味がない
本当に生きてんのかこいつ？って何度も思ったが、ベッドサイドモニタで、生きているんだって気付かされる
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作者名：もか | 作成日時：2024年3月13日 20時
