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「お前、Aさんと別れたのかよ」
おやっさんの剣幕がすげえ
「はい」
「なぜ？」
「俺は彼女を守れなかったから。
俺には彼女といる資格がないんです」
セフンは部屋にいる全員に聞こえる声で続ける
「俺は1か月近く意識不明でした。その間彼女は黒虎会に人質にとられて、なにもしてやれなかったんです
助けることは無論、阻止すらできなかった」
流石におやっさんも責めないみたいだ
「もう彼女をこんなことに巻き込みたくないんです」
「それでも結婚は早くしてもらわねえと」
相談役のじいさんがはっきりと言い捨てた
「若大将よ、お前さんの気持ちは分かるがこっちも困ってんだ。誰かと早く身を固めな」
____部屋が静まりかえった
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宴会はある程度終わり、後は親しい者同士で飲みあったりするなかセフンは自分の部屋に入っていった
俺もそろそろ疲れてきたから、セフンの部屋借りよう
「それでも男なの？」
セフンの部屋から話し声
あいつの母さんの声？
盗み聞きが良くないのは分かっていても、気になってしまう
「どういうことなのセフナ
守るんじゃなかったの？」
「俺は、守れませんでした…」
「守れる、守れないが問題なんじゃなくて守るかどうかが大切じゃないの？！」
多分あいつのお母さん怒ってる
声が荒いでるから
さすが極妻だ。迫力が違う
「あの子を守るとどの口が言ったの？
見損なったわ、セフナ」
そう言い捨ててお母さんは部屋から出ていった
うわ、最後の一言が会心の一撃だ
俺が自分の母親に言われたらやっていけない
「入るよーセフナ」
少し間を置いて、セフンの部屋に入った
「勝手に入るんじゃねえよ…」
セフンはいつもの茶番を言ってきたけど
うわー、思いっきり母親のダメージ受けてる
ヤクザをしている時はしっかりしているし怖い男でしかないが、その仮面を取ったらまだアイデンティティに悩む青年だ
SE「俺、母さんにAちゃんを守れるかどうかは別として守るかどうかが大切だって言われた」
KI「そうなんだ」
その話聞いてたけどな
SE「俺、どうしたらいいんだろう」
まっすぐな瞳で見つめてきた
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作者名：もか | 作成日時：2024年3月13日 20時
