【EXO】白龍ーーーsehun 2 (ページ19)

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「なあ、約束を守れないだけじゃなく彼女自身も守れない男どう思う？」

振り返ってきた

窓から差し込む夜景の光が反射して、顔は白く浮かび上がっている

彫刻のような顔だと思った

「俺がAちゃんの隣にいる資格はない」

「そんなこと…」

「ある。これは撃たれたときから覚悟してたことなんだよ

撃たれた時、出血量でもう死んだと思った

最後にAちゃんを守りたくて、最後に見る顔はAちゃんが良くてクラブまで行った

それと同時にこの娘には俺の知らないところで幸せになって欲しいと願ったんだ

俺といると傷つけてばかりだから」

こいつがそこまで考えてたなんて知らなかった

「それじゃ…お前、Aさんが、」

"可哀想だろ" そう言いそうになったが言葉を飲み込んだ

セフンの覚悟を潰しにかかってるみたいだから

「お互い好き同士なのに、こんなの…」

「おかしい？でも一緒にならないほうが幸せなこともある」

「そうだけど…お前、お前はそれでつらくないのかよ」

目を覚まして初めて怒りとか冷酷さを捨てた眼差しを向けられた

「ジョンイナ、暫く1人にしてくんない？」

「分かった」

きっと、ここで泣くんだな

"つらいか" に対しての返事をしないということは肯定なんだ。長い付き合いだから分かってしまう

「じゃあな、おやすみ」

「おやすみ、今まで看病ありがとう」

「ああ」

パタンとドアを閉じて壁にすがった

こいつは興味ない人間にはこの上なく冷たいが、一度心を開いた相手には愛情深くなる

それゆえに裏切られたり縁を切ったりすると人の何倍も傷つく

それが特にAさんには顕著に表れてた

自分がしつこく執着しただけあって大量の愛を注いだはずだ

Aさんの声でやっと目を覚ましたのもその愛の表れ

セフンは自ら愛する人を手放した

" 敵の組から人質にさらわれた

俺と会ってなかったらこんな辛い思いすることなかったのに

クリスマスの約束あんなに楽しみにしてたのに破られた

俺がこんな稼業じゃなかったらこんな思いすることなかったのに"

そう言ったあいつの顔が頭から離れない

否定する権利はないけど、俺は納得してないからな

この決断を認めてないからな

好き同士なのに我慢するとかおかしすぎる

壁越しに、あいつの男泣きの声が聞こえた

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