【EXO】白龍ーーーsehun 2 (ページ12)

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医者によると記憶喪失らしい

それも部分的な

脳に異常は見られなかったけど、大量出血の後遺症で私に関する情報だけの記憶がないとお医者さんが言っていた

他の人はちゃんと覚えてるのに

私が働いていたクラブも、私に会うまでのことしか覚えてないみたい

そんなことありえるの？

なんでよりによって私？

ジョンインさんは「Aさんへの思い入れが強くて記憶無くなったのかも」って励ましてくれたけどそんな少女漫画みたいなことあるわけない

最悪のクリスマスだ

こんなはずじゃなかった

『はあーとりあえず帰ろー、、、待てよ？』

帰る家あるの？

もともと住んでたアパートはもう解約してるしオッパの家は行ってもオッパにとっては他人だから

え、これからどうしたらいい？

とりあえずホテルか

今までお金あんまり使ってなかったら結構あるっちゃある

ひとまずはクラブに行ってママに相談してみよう

「Aさん諦めるんですか？」

病院の出口にさしかかったところでジョンインさんに声をかけられた

諦めたくないよ、今すぐにでも思い出して欲しい

でも今じゃない

オッパはまだ体調が安定してないのに精神的に無理させたくない

『諦めたくないけど、今はまだ待っておきたいです。オッパのために』

「っ…」

ジョンインさんは何か言いたそう

「あいつ一目惚れだったんですよ。だから初めて会った時みたいな服装でまた会ったら…」

『…やめておきます』

彼はいたたまれないような表情で

「こんなのあっていいはずがない………」

と呟いていた

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『こんにちはー…』

約4週間ぶりのクラブにきた

今はまだ開店前で準備中

「こんにちはー、ってAちゃん？

久しぶりねー！メリークリスマス！！！」

ママが机を拭いてた

「クリスマスにどうしたの？セフンさんは？」

『うっ…ママぁ』

ママの顔を見たらたまっていたものがぶわっと込み上げて、涙がたくさん出てしまった

お仕事最終日に敵の組に誘拐されたこと

ずっと山奥で軽く監禁されてたこと

オッパは意識不明だったこと

助けられて会いに行って彼の意識が戻っても私の記憶は無くしてたこと

オッパはすごく冷たかったこと

この4週間で起きたことをすべて話した

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