21.意識 ページ11
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オッパがいる病院に到着した
大きな大学病院の一室にいるらしい
ソウルの夜はクリスマスイブで綺麗にきらきらと輝いているけど、私はその反対にいる
久しぶりに顔が見れてドキドキする…
オッパが居る部屋に着いてジョンインさんが扉を開けた
真っ白な病室で、彼はぽつんとベッドに横たわってる
近寄って顔を見ると、髪は少し延びてて根元が黒かった
ただでさえ痩せてるのに、さらに痩せたように見える
生きているのか不安になるくらい肌の血色感は無かった
『オッパ………』
たまらず手を握ってしまった。涙が出てしまった。
なんでこの人はまだ若いのにこんな目をみないといけないの？
なんでヤクザの家に生まれただけで背負うことはこれほど大きくないといけないの？
「セフナ…」
ジョンインさんの声が後ろから聞こえて、オッパを見上げた
目が開いてる…
『え？』
奇跡………？
首をゆっくり動かして、じっと私の方を見つめてきた
あぁ、変わってない
どんなに痩せても、あの三白眼の眼差しは変わってない
「セフナ、よかった！お前3週間も眠ってたんだぞ」
目線をジョンインさんにうつした
「Aさんもその日から黒虎会に誘拐されてやっと今日人質から帰ってこれたんだ…！
Aさんのおかげで目を覚ませたんだな！」
「ゆうかい………」
オッパが口を小さく開いた
「ジョンイン、この女誰？」
『え？』
JI「は？」
ここにいる"女"って自分しかいない…んだけど……
JI「Aさんだよ？！」
SE「誰？Aって」
JI「お前の彼女だよ？！」
本当に私が分からないのかな
知らない人が自分が目を覚ましたところにいたら嫌だよね
さっきからずっと目が合わない
『オッパ…、本当に私が分かりませんか……？』
お願い…ドッキリとか夢とかであってほしい
「知らない」
自分の周りから色が消えた
最悪のクリスマスイブだ
我慢できず病室から出て、
ドアの傍で声を押し殺して泣いた
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作者名：もか | 作成日時：2024年3月13日 20時
