18.別荘 ページ2
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どうやら目的地は山奥だったらしい
大自然の中にぽつんと場違いなほど高そうな一軒家
これがヤクザの別荘かあ……
別荘というより隠れ家と言う方がふさわしいのかもしれない
ここがソウルではないということだけは分かる
本当に入りたくない。怖すぎる
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常にガタイのいい男の人達に監視されていた
あと、身の回りのお世話をしてくれる女の人にも
" この家の中だけで生活すること "
一見私に課せられたことは、思ったより悪くないように思えた
体を傷つけられたり命を奪われたりすることよりはまし
この建物には一般家庭にあるものが一式そろっていたし
最悪の事態を免れたと思っていたけど、やはり現状は甘くない。常に監視されているから
彼らの目的が分からない以上大人しく順丈に従うしかない
クラブから連れ去られて明け方にこの建物に着いて、まずは朝ごはんを食べた
もちろん監視付きで
昨晩は一睡もしなかったし朝ごはんでお腹がふくれて、うとうとしちゃう…
ぼーっとテレビを見ていると、急に頭に冷水をかけられたかのように、我にかえった
【続いてのニュースです。昨夜、✕✕区の繁華街で男子大学生のオ セフンさんが銃撃を受け、意識不明の重体です。】
え、意識不明…
しかも会長さんの前の事件と同じ状況すぎる
【警察は被害者の意識が戻り次第取り調べを開始するとともに、犯人の行方を追ってい…】
ピッと画面が消された
振り替えるとチャニョルさんがリモコンを持っている
「らしいよ」
『…』
「男子大学生ってことになってるけどすぐに身元バレてヤクザの対立だって判明される」
・・
「俺は撃ってないよ？俺の事務所に家宅捜査が来てもすぐに元通りになる。」
『なんで？』
「犯人には自首させるから」
下っ端を適当に利用して切り捨てるってこと？
「こっちの世界じゃね、刑務所に入って初めて男は一人前なの。あとムショの中じゃ服役理由が大事なんだよ。そいつも発砲でムショに入れるならって喜んでたよ」
一石二鳥ってことだったの？
清龍会の勢力をおさえられたらなんでもいいのか
自然と涙がこぼれた
これが悔しさなのか、先が見えない不安なのか、オッパへの酷い仕打ちに対する悲しさなのかは分からない
チャニョルさんは部屋から出てやっと1人になれた
私はそのまま泣き崩れてしまった
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作者名：もか | 作成日時：2024年3月13日 20時
