二枚目 ページ5
2枚目を食べたのは私が勘当された後の事だった。家を追い出され、いく当ても無く歩いていたら魔法の森に入った。そこで道に迷い、森から抜け出すことも出来ずにただただ此れからどう生きるかを考えるだけだった。香霖の所の世話になるか。でも香霖は私にこの八卦路をくれたばっかで、私を養って貰うのは申し訳ない。
野宿をする、それが私の出した答えだった。しかし人里の有名な商家に生まれ、そこで育った私には野宿の方法もやり方も分からない。
(歩き疲れたから座ろう)
そう思い近くの木に腰掛ける。ふう、と一息ついた矢先、悲しみが私の中から溢れ出た。
家を出てから泣かない、って決めていた。自分の覚悟がこんなにも弱かった事、それを思い知って惨めな気持ちになった。
私はこれからどうすればいいのだろう、これからの事を考えると涙がまた出てきて、止まらなかった。このまま野垂れ死ぬのだろうか、或いは妖怪に食べられる方が先か。追い出された私に居場所なんてない。妖怪がうじゃうじゃといるこの人里の外で生き抜くことなんて奇跡に近いのかもしれない。そんな時に救世主が現れた。
「こんな夜遅くにどうしたんだい?」
空には月が登っていた。月明かりに照らされて綺麗な緑色の長髪を靡かせていた救世主は優しく私に問い掛けた。脚が無く、その代わりに「幽霊の脚」のようなものが付いている彼女はきっと霊の類だろう。普通なら怖がるだろうがその時の私には怖がる気力さえなかった。ただただ泣き続け、その霊を困らせるだけだった。
彼女に自分の境遇や自分には行き場所が無い事を話、私は彼女に引き取られる事になった。魅魔、と名乗ったその女性は人類に復讐する事を企てている悪霊なんだとか。私にはそんな悪い霊には見えなかった。とても優しい方。その想いは今でも変わらない。その霊――魅魔様に連れられ、私は魅魔様の仮住まいの森の古い家で暮らす事になった。
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魅魔様登場!
個人的にみまりさは師弟よりは母娘的関係なのが好きです。
まだまだ続きます。
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すず・(プロフ) - 東方狂の霧雨霊夢さん» ありがとうございます〜 (12月16日 17時) (レス) id: 227256c052 (このIDを非表示/違反報告)
東方狂の霧雨霊夢(プロフ) - 分かりました!適当に検索してたら出た作品ですが←失礼だな すごく面白いです。これからも楽しみにしてます! (12月16日 16時) (レス) id: c42377ac9e (このIDを非表示/違反報告)
すず・(プロフ) - Kirisamereimuさん» ありがとうございます。3話まで書き溜めはしたんですけど全部消えちゃって…← 筆が乗り次第描きます〜 (12月16日 13時) (レス) id: 227256c052 (このIDを非表示/違反報告)
Kirisamereimu(プロフ) - 次の話はまだですか⁉楽しみすぎる (12月16日 8時) (レス) id: c42377ac9e (このIDを非表示/違反報告)
Kirisamereimu(プロフ) - 魔理沙…強く生きて (12月15日 22時) (レス) @page3 id: c42377ac9e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鈴音 | 作成日時:2022年8月8日 11時