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「あ、あの、助けてほしいです…。」




その声は彼に届いたのか知らないが、天童さんは不満そうな顔をしながら退いて"救世主"は手を差し伸べてくれた。


あまりのことで地味に腰が抜けつつあった私を立たせてくれた。




「…はぁ、天童女の子にはもっと優しくしてやれよ。」

「…あれれー?英太クンなんにも分かってないんだね。」




は?と言った瀬見さん。
やけに眉をひそめ、不服そう。

それを見て、愉快そうに顔を歪めた天童さん。








「…もう、Aチャンはただの女の子じゃないんだよねぇー。」

「…!なんで、わかるんですか…?」



天童さんのことだから案の定すぐにバレるだろうとは思っていたがこんなに早いとは思わなかった。

きっと、覚ったっていうのもあるんだろう。







「簡単だヨ。その、大事そうに何かを覆っている布切れはなにかなぁー?

役に立ってないし、第一妖力封じが甘いネ。」




すべてを見抜いたような天童さん。

見下されてるようで少し怖いが、私は腕を後ろへと隠し天童さんを見る。



「…ッそれは、」

「…まっ、AチャンがAチャンであることに変わりはないけど。」




後ろへと持っていた手をとられ、袖を捲くられる。
そして、ゆっくりと包帯を外された。



顕になった腕は前よりも紋章が真っ赤だった。

そして、前腕にしか刻まれていなかった紋章はよくよく見れば鎖骨の方まで広がっていた。
それは私も今気づいた。

天童さんに見えているのかは知らなかったが、彼は腕の紋章だけを興味深そうに見ていた。




「…紋章が、広がっている…。」

「包帯はただの隠し。妖力封じが生半可じゃもうじき体が紋章に乗っ取られるんじゃない?」




恐ろしいことを言う天童さんは、間違っていなさそう。
このままでは、確かに私は危ない。

侑さんも治さんも言ってた。



私は、本来の目的を天童さんに伝えた。




「…天童さん、私がここに来たのは妖かしとしての自分を磨くためなんです。」

「ふーん、で、誰に頼むの?」




「え、」



私は固まる。

たしかに誰に、とまでは考えていなかった。
正直ここの方々は位の高い妖かしばかりだと思い込んでいたからなんとかなると思っていた。



「あれ?考えてなかったの?なら俺にしてくんない?

若利クンでも構わないけど、俺はこの家一暇だから相手してあげたいんだよネ。」





わくわくしたような表情で私を見た。





「…お、お願いします。」






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油揚げ(プロフ) - めちゃくちゃ楽しかったです!素敵な作品をありがとうございました!!! (2021年12月19日 22時) (レス) @page33 id: b66c454432 (このIDを非表示/違反報告)
ちーたん - なるほど!消す直前を見れていなかったので知らなくて申し訳ないです。次の作品も楽しみにしています! (2018年1月13日 11時) (レス) id: ce5d38f4dd (このIDを非表示/違反報告)
わちゃちゃ(プロフ) - ちーたんさん» あちらにも書きましたが、内容が不謹慎では?と友人からの指摘を受けたこと、受験が終わるまで中途半端にはしたくないこと、この二つから消すことにしました。読んでくださってたのに申し訳ありません…。次はいつになるかわかりませんが、読んでくださると幸いです。 (2018年1月11日 7時) (レス) id: 2b82fe3330 (このIDを非表示/違反報告)
ちーたん - すごく面白かったです!質問なのですが、なぜ新作(?)を消してしまわれたのでしょうか?あっちも最高だったので…。でも、次のやつも楽しみにしています!頑張ってください! (2018年1月9日 0時) (レス) id: ce5d38f4dd (このIDを非表示/違反報告)
わちゃちゃ(プロフ) - 瑛さん» コメントありがとうございます!終わってしまいましたね…。意味深な終わらせ方をしたのは自分の表現力の無さが生み出した賜物ですね(笑)ありがとうございます!案は浮かんでいるので早めにだそうと思っています。読んでいただきありがとうございました!! (2017年12月12日 17時) (レス) id: 2b82fe3330 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:わちゃちゃ | 作成日時:2017年11月15日 22時

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