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家へついて、私は天童さんにあるところへと連れて行かれた。
「…あの、ここってどなたかのお部屋ですよね…?」
「そうそう。おーい、工。」
つとむ、と呼び扉を叩く天童さん。
部屋の中からは返事もないし、誰かがいる気配もしない。
なのに、ずっと呼び続けている。
「…あの、入ったほうが早いんじゃ…。」
「そうだねぇ、あ、Aチャンどう?」
いやいや、流石に勝手に誰かの部屋とか入れないから。
口に出さず目で訴える。
感じ取ったのか知らないが、両肩に力強く手を置かれる。
「これも修行ダヨ。さっ、行くんだAチャン。」
「…すごく、悪意のある後付ですよね。」
私は扉に手をかけ、天童さんにあとでなんと言ってやろうか頭の片隅で考える。
失礼します、とゆっくりと開ければ中はすごく素朴な様子だった。
「…あ、あの。工さん…?」
奥へ踏み入れば、たくさんの書物に埋もれた一人の男性がいた。きっとこの方が工さん。
しゃがみ込んで肩を叩いてみても、おーいと呼んでも起きる様子は全くない。
「天童さん、工さん起きませんよ。」
「…えー。あっ、工の体に触れてさ妖力を出すイメージで念じてみてよ。」
咄嗟に思いついたであろう策は、すごく無理矢理な感じがして呆れる。
私にできるできない関係なしに、してということはもうやるしかない。
腕を掴んで、とにかく妖力を出すイメージで念じた。
確実に意味がないような気がしてどうしようもない。
しかし、工さんには変化がないが窓付近に置かれている小さな植物が蕾を出し花を咲かし始めた。
それに驚き、一瞬手を離してしまった。
「…ん、誰ですか…、」
「…!あ、えっと、おはようございます。」
うっすらと目を開けた工さんの視界に入るよう私は手を振った。
寝ぼけているのか、んん、と伸びをして寝返りを打った。
それに伴ってどさどさと書物が落ちる。
「…あの、天童さんが呼んでますよ。」
「…!はっ、お、おはようございます!!」
ばさりと布団を退かし立ち上がった工さん、着崩れた着物を直さず扉へ直進した。
「…おはよう、工。」
爽やか笑顔で手を上げ、挨拶。
こうやって見ると工さんもでかいな。
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お久しぶりです…!
更新がぼちぼちとなってきました…。ごめんなさい。
オチもないような書き方で読みづらいですし、更新も遅いです。
それでも読んでくだされば嬉しいです。
評価等も励みになります。ありがとうございます!
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油揚げ(プロフ) - めちゃくちゃ楽しかったです!素敵な作品をありがとうございました!!! (2021年12月19日 22時) (レス) @page33 id: b66c454432 (このIDを非表示/違反報告)
ちーたん - なるほど!消す直前を見れていなかったので知らなくて申し訳ないです。次の作品も楽しみにしています! (2018年1月13日 11時) (レス) id: ce5d38f4dd (このIDを非表示/違反報告)
わちゃちゃ(プロフ) - ちーたんさん» あちらにも書きましたが、内容が不謹慎では?と友人からの指摘を受けたこと、受験が終わるまで中途半端にはしたくないこと、この二つから消すことにしました。読んでくださってたのに申し訳ありません…。次はいつになるかわかりませんが、読んでくださると幸いです。 (2018年1月11日 7時) (レス) id: 2b82fe3330 (このIDを非表示/違反報告)
ちーたん - すごく面白かったです!質問なのですが、なぜ新作(?)を消してしまわれたのでしょうか?あっちも最高だったので…。でも、次のやつも楽しみにしています!頑張ってください! (2018年1月9日 0時) (レス) id: ce5d38f4dd (このIDを非表示/違反報告)
わちゃちゃ(プロフ) - 瑛さん» コメントありがとうございます!終わってしまいましたね…。意味深な終わらせ方をしたのは自分の表現力の無さが生み出した賜物ですね(笑)ありがとうございます!案は浮かんでいるので早めにだそうと思っています。読んでいただきありがとうございました!! (2017年12月12日 17時) (レス) id: 2b82fe3330 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:わちゃちゃ | 作成日時:2017年11月15日 22時