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「…おっ、チビちゃんじゃねぇか。」
「…!トサカヘッド…!」
敵意むき出しにこちらに、歯を向ける幼児…?はこちらを指差して叫んだ。
黒尾さんは、明らかにあだ名で煽っている。
「…トサカ、ヘッド…、ぶふっ…。」
少年から言われていたあだ名。
黒尾さんの頭を見てみれば、一目瞭然だ。
抑えきれず、吹き出してしまう。
確かに個性的だとは思っていたが、ここまで言われているとは思わなかった。
「…おい、笑うな。寝癖なんだよ。」
「…え、すごい寝方しますね。」
驚いてからの、またもや笑いがこみ上げる。
私は、必死に抑え少年の元へと黒尾さんと向かった。
「…んっ???そいつ誰だ…?」
私からすれば少し高い身長の少年。
チビちゃん、と呼ばれた少年は私を見つけるや否や直ぐに食いついてきた。
「チビちゃん、こいつは俺の血縁者だ。色々あって烏屋に弟子入りするつもりなんだとさ。」
「…!はっ、え、弟子入り…?!」
私は驚く。
まずは少しだけでも居座らせていただこうと思っていただけなのになぜそこまで話が進んでいるのか。
黒尾さんは、悪巧み、というか何か考えているようだった。
「へぇ!俺、日向翔陽!よろしくな!」
「…A、です。よろしくお願いします!」
念のために、私は名字を言わず名前だけを言った。彼は私の名前を聞くと直ぐに手を取り握手をさせられた。
「Aな!よろしく!俺のことは翔陽でいいからな!」
とにかく、有り余るくらいの元気の良さですこし引きそう。
昔も、ここに来てからもずっと、大人を相手にしてきたようで翔陽はすごく元気づけられそうだった。
「…うん…!」
「早速のとこで悪いがチビちゃん、お店の方まで。」
ここから少し歩くだけだった。
そこには妖かしが皆何かを食べていて、少しではあったが賑わっていた。
麺をすする音、話し声、食器の音。
ガヤガヤとした店内を通り過ぎ、私と黒尾さんは、カウンターへと案内された。
椅子に座れば、翔陽は奥へと消えていき、また違う方がこちらへ来た。
「…これはこれは、黒尾さんじゃないですかぁ。」
「お久しぶりですねぇ。」
急に始まる悪そうな会話。
私を挟んでの彼らの会話は、何か闇を感じさせられるものだった。
営業スマイルを貼り付け、注文を承る店員さんと相変わらずの黒尾さん。
挟まれている私はものすごく気まずい。
とりあえずでいいから、開放してくれ。
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油揚げ(プロフ) - めちゃくちゃ楽しかったです!素敵な作品をありがとうございました!!! (2021年12月19日 22時) (レス) @page33 id: b66c454432 (このIDを非表示/違反報告)
ちーたん - なるほど!消す直前を見れていなかったので知らなくて申し訳ないです。次の作品も楽しみにしています! (2018年1月13日 11時) (レス) id: ce5d38f4dd (このIDを非表示/違反報告)
わちゃちゃ(プロフ) - ちーたんさん» あちらにも書きましたが、内容が不謹慎では?と友人からの指摘を受けたこと、受験が終わるまで中途半端にはしたくないこと、この二つから消すことにしました。読んでくださってたのに申し訳ありません…。次はいつになるかわかりませんが、読んでくださると幸いです。 (2018年1月11日 7時) (レス) id: 2b82fe3330 (このIDを非表示/違反報告)
ちーたん - すごく面白かったです!質問なのですが、なぜ新作(?)を消してしまわれたのでしょうか?あっちも最高だったので…。でも、次のやつも楽しみにしています!頑張ってください! (2018年1月9日 0時) (レス) id: ce5d38f4dd (このIDを非表示/違反報告)
わちゃちゃ(プロフ) - 瑛さん» コメントありがとうございます!終わってしまいましたね…。意味深な終わらせ方をしたのは自分の表現力の無さが生み出した賜物ですね(笑)ありがとうございます!案は浮かんでいるので早めにだそうと思っています。読んでいただきありがとうございました!! (2017年12月12日 17時) (レス) id: 2b82fe3330 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:わちゃちゃ | 作成日時:2017年11月15日 22時