半鬼の優しい少女［2］

玖拾陸 ページ49

《あれ？私なんか変なこと言っちゃった？》

炭「美桜からはとても悲しそうな匂いがするぞ」

『！？……そっか』

《この三人にはバレちゃうよね》

『実はね─』

美桜は【血鬼燈】の代償として色覚を失ったことを話した

善「えっ、嘘だよね？」

『ううん、本当のことだよ。それに善逸だったら音で嘘ついてないって分かるでしょ？』

善「そうだけど…」

炭「…美桜はその技を使ったら代償を払わなければいけないと知っていたのか？」

『うん』

炭「じゃあなんで……」

『あの時煉獄さんを助けることが出来るのは私だけだと思ったから』

炭 善「「！！」」

伊「確かにそうだけどよ、なんでお前はそこまでできるんだ？」

《なんで…か》

『もう誰かに守られるのは嫌だから…かな？』

美桜はそう言って泣きそうに微笑んだ

《陽翔は自分を責めないでくれって言っていたけれど、責めなかったらまた同じ過ちを犯しそうだからそれを守ることは出来ない…ごめん》

炭(まただ。美桜から俺まで泣きそうになるほどの悲しみの匂いがする)

『あっ、このことは誰にも言わないでね。煉獄さん自分を責めちゃうかもしれないから…』

炭「…分かった」

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