半鬼の優しい少女［2］

漆拾捌 ページ31

猗「そうか。では素晴らしい提案をしよう…お前も鬼にならないか？」

杏「ならない」

猗「見れば解る。お前の強さ…柱だな？」

さすが上弦と言ったところか猗窩座には煉獄の強さが解るらしい

猗「その闘気、練り上げられている。至高の領域に近い」

杏「俺は炎柱、煉獄杏寿郎だ」

猗「俺は猗窩座。杏寿郎、なぜお前が至高の領域に踏み入れないのか教えてやろう。人間だからだ。老いるからだ。死ぬからだ。鬼になろう、杏寿郎。そうすれば百年でも二百年でも鍛錬し続けられる。強くなれる。」

煉獄は黙って猗窩座の言葉を聞いていた

炭(俺も加勢しなければ…)

炭治郎が動こうとしたので美桜はそれを止めた

『今は動いちゃダメ』

炭「！！」

杏「老いることも死ぬことも人間という儚い生き物の美しさだ。老いるからこそ死ぬからこそ堪らなく愛おしく、尊いのだ。強さというものは肉体に対してのみ遣う言葉ではない」

《煉獄さん…》

杏「この少年も少女も弱くない。侮辱するな。何度でと言おう。君と俺とでは価値基準が違う。俺は如何なる理由があろうとも鬼にならない」

《かっこいいな》

猗「そうか」

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