半鬼の優しい少女［2］

伍拾玖 ページ12

《私は幼稚園児かっ！？》

陽「任しといて」

『おい陽翔』

陽「ほらさっさと行くぞ〜」

『はぁ、まぁいいや』

私と陽翔は近くのショッピングモールにある映画館に行くため家をあとにした

陽「なぁ、なんでさっき泣いてたんだ？」

『えっ？……あぁ、陽翔がどっか行っちゃう夢見たから』

《死んだ夢だなんて言いたくない》

フラグ立てるみたいで嫌だから

陽「そんなんで泣いたのかぁ。俺のこと大好きすぎだろ」

『だって、ずっと一緒いたのに急にいなくなったら泣くでしょ』

陽「たしかに俺らずっと一緒におるよなぁ」

私と陽翔はいわゆる幼馴染みみたいなもので、親同士なんかも幼馴染みだからずっと一緒にいる

もちろん、彼氏彼女なんていう関係ではない

『親同士もだからすごいよね』

陽「それな」

歩いていると道の先に小さな水溜まりを見つけた

《昨日雨なんか降ったけ？》

傍を通る時ふと見てみたら

“はよ、起きて！！これは夢だよ！！”

『っ！！』

私は思わず立ち止まった

陽「どした？」

『なんか水溜まりに右目が赤い女の子がいて、話しかけられたんだけど…』

陽「ホラーじゃん。お前まだ寝ぼけてんの？」

ﾊﾞｼｯ

『痛っ！！なんで叩くの！？』

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