早く言えよ！【knmc】

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そりゃあ、と低い声で呟かれてびくりと肩を揺らしてしまう。


頭が真っ白になって何も考えられない。

回らない頭で考えても何も出てこなくて、なんとか絞り出した言葉はか細く震えた「ごめん。」という謝罪の言葉だった。


　


「我慢してますよ。安達さんは可愛いですから。」


「………え？」


「こんなに可愛い彼女のことを、本当は周りに自慢して歩きたいし、もっとあなたに触れたいと思ってます。僕だって健全な男子高校生ですので。」


　


手だってほら、本当はいつでも繋ぎたいって思ってますよ、と然りげ無く手を繋がれて困惑の中握り返す。


ふっと笑ってまたお弁当を食べ進める剣持くんの横顔を見て、じわりと胸の中に温かい何かが広がる。


食べづらくない？と聞くと「嬉しさが勝ちます。」と返ってきた。

食べづらくはあるんじゃん、と返しながらも嬉しくて口元が緩んでしまう。



胸がいっぱいでご飯を食べる気にもならず、箸を置いて中庭の桜の木の方に顔を向けた。もうすっかり花は落ちて、葉が生い茂っている。


　


「…………私、剣持くんは手早いと思ってたな。」


「えー？僕ほど待てる男はいませんって。」


　


さっき言われた可愛いの照れが後を引いてしまって、ぎこちなく視線を逸らしながら言うと、剣持くんが笑い混じりにそう答えた。


確かにそうかもなと思う。


剣持くんがいつから私の気持ちに気付いていたかはわからないけど、察しのいい剣持くんのことだからきっと大分最初の頃からなんだろう。

それでもずっと待っててくれた。

　

いつの間にか剣持くんも箸を置いていて、二人で空を見上げる。


繋ぐというよりは重ねられている手から剣持くんの体温が伝わってきて、心がゆっくりと満たされていくのを感じた。

　

きっとこの人は、どんな時でもなんてことない顔をしながら私の歩幅に合わせてくれるんだろうな。


でも。


　


「そんなに我慢しなくてもいいよ。」


「……………………良くないですって、そういうの。」


　

　
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可愛い子達が手を繋いでいるのが好きです！！！！(クソデカボイス)


見たいのとかもしありましたら、リクエストくれたら最大限反映させていただきます。あと４話分しかないですが…。なかったら私が適当に書きます！！適当に！ちゃんと！

あと４話分で終わりです。

是非是非、最後までお付き合いください。

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