▷十二言目 ページ12
「そうなの？仲良しなの？」
「仲良しですよね？」
「………えっ、あっ……。」
身長が180センチを超えているらしい進藤くんと、絶賛片思い中の剣持くんという、それぞれ別の意味で圧の強い二人に同時に覗き込まれて息が苦しくなる。
うおお、言葉が出てこない。
このまま見逃してくれないかなと二人を見るも、どうやら逃がしてくれる気はないようだった。
こちらをじっと見つめて私の返事を待っている。
………い、言うしかないのか……。
言うしか………。
「……っ…な、」
「な？」
「な？」
「…………………仲良し、です…………。」
うわ、めっちゃ声震えた、死んだ。
言い切った瞬間進藤くんが「お熱〜〜い！！」とか言ってきて無理すぎた。剣持くんもそれに「そうでしょ。」とか答えるから余計無理だった。
無理！ほんと無理！
こんなんで私は告白なんかできるのか！？
………そしてまだ私の手を掴んだまま離さない剣持くんは何なの！？
顔が限界まで熱くなってるのに、指先は緊張でえげつないくらい冷え切ってて、なのに剣持くんに掴まれている部分は熱くて温度差で死にそうになる。
まって、熱すぎてもはや冷たいんじゃないかと思い始めてきた。やばい。
「じゃあ仲良くやれよ！邪魔者は退散するから！」
「はい、どうも。」
「あっ安達さん！」
「わ、私？なに？」
「優しくしてもらえよ。」
ニヤリと笑いながら、最後にとんでもない爆弾を投下された。
火でも付けられたのかと思うほど一気に顔が熱くなる。
さっきのがピークじゃないの？私そろそろ本気で死ぬんだけど。
昭和のオヤジくさい発言と、静まり返った空間を残して颯爽と去っていった進藤くんを心の中で呪う。
気まずくて剣持くんの方をチラリと見たら、タイミングが良いのか悪いのか視線が交わってしまった。
思わずびくりと肩を跳ねさせると、剣持くんは首を傾げた。
「僕、優しいですよね？ね、安達さん。」
「う、うん。優しいよ。」
優しいから、掴んでる腕を離してほしいな！
私そろそろ四肢が爆散して死ぬ気がするから！！
「ふふ、安達さんも僕に優しくしてくださいね。」
「………勿論……。」
………腕、離して…………。
その夜、家に帰ってもこのことばかり考えてしまい、お風呂で溺れかけたのは本当に危なかった。
やっぱり剣持くんは罪深い。
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せそ(プロフ) - むーさん» コメントありがとうございます！試行錯誤しながら書いてたのでそう言っていただけると安心します…！嬉しいです！神作と言っていただけたのが過言にならないように頑張りますね！？ (2022年7月18日 18時) (
レス) id: f1e07720ab (このIDを非表示/違反報告)
せそ(プロフ) - 199594198593さん» コメントありがとうございます！おかえりなさい！！（？）最高嬉しいです〜最高を書き続けられるように頑張りたいですね… (2022年7月18日 18時) (レス) id: f1e07720ab (このIDを非表示/違反報告)
むー(プロフ) - ふへ…ふへへ…(ｷｼｮ)すごい好きです…！knmtの解釈一致すぎてもう最高です、神作をありがとうございます…!!! (2022年7月13日 22時) (レス) @page48 id: c6860a711c (このIDを非表示/違反報告)
199594198593(プロフ) - 番外編まで最高だァ… (2022年7月12日 9時) (レス) @page48 id: d656d21813 (このIDを非表示/違反報告)
せそ(プロフ) - ミウラさん» コメントありがとうございます！大好き嬉しいです〜！番外編まで読んでくださってありがとうございます！あと数話お付き合いください💖 (2022年7月4日 0時) (レス) id: f1e07720ab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：せそ | 作成日時：2022年4月12日 18時
