▷十一言目 ページ11
満足そうな笑顔の剣持くんに、安堵とときめきと困惑と。
様々な感情が混じり合って、多分私は今変な顔をしている。そんな私の顔を見て更に笑みを深めるのだから、剣持くんはわからない。
えっ男の子って皆こうなの…?不思議生物過ぎない…?
「んふ、食い気味。んふふ。」
「あっ…なんかすみません……。」
「なんで謝るんですか?いいじゃないですか。楽しみですね、お出掛け。」
「あ゜っ……はい…。」
「あはは!なんですか今の声。」
ツボに入ってしまったのかずっと笑っている剣持くん。
笑顔可愛いなとか、まじで何考えてるかわかんないなとか、笑い方なめこと一緒だなとか。
……ちょっとは仲良くなれたかな、とか。
剣持くんの爆笑が見られるのはお友達の特権だと思ってた。剣持くんが心を許した人だけの、特別な人だけの特権。
だから私は特別になりたくて。
そんな特別な人達の中でも、一番の特別になりたくて。
_______告白しよう。
このお出掛けで、少しでも意識してもらうんだ。振られても、また好きになってくれるまで頑張る。一回目はダメでも二回目三回目になれば変わるかもしれないし。
そう吹っ切れた瞬間、心が軽くなった気がした。
まだ若干可笑しそうにしている剣持くんと目が合う。
剣持くんの目が見開かれた。
「_____……安達さ、」
「なになにー?お前ら出かけるの?」
「………進藤。」
「えっなんだよ剣持。顔怖えぞ。」
剣持くんが何か言いかけた瞬間、ドンっという音がここまで聞こえてくるほど強くクラスメイトの進藤くんが剣持くんに突っ込んできた。
驚きで固まって何も言えない私の前で、えげつない体幹を見せる剣持くん。
えっ、進藤くんラグビー部だよね?
そんな人のタックルもどき受けて平気で立ってるって剣持くんまじ?実は肋骨折れてるとかない??
呆然としていたら男の子同士の掛け合いが始まってしまって、そこに突っ込む勇気はないから傍観する。
「えー、っていうか剣持と安達さんって、二人で出かけるほど仲良かったっけ?」
傍観できなかった。しっかり被弾した。
悪気を全く感じられない純粋な疑問に、答えることが出来ずに口籠っていると、スッと私の前に影ができた。
「そうですよ、僕達仲良しなんで。」
「……は、」
______剣持くんに、腕、掴まれた。
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せそ(プロフ) - むーさん» コメントありがとうございます!試行錯誤しながら書いてたのでそう言っていただけると安心します…!嬉しいです!神作と言っていただけたのが過言にならないように頑張りますね!? (2022年7月18日 18時) (レス) id: f1e07720ab (このIDを非表示/違反報告)
せそ(プロフ) - 199594198593さん» コメントありがとうございます!おかえりなさい!!(?)最高嬉しいです〜最高を書き続けられるように頑張りたいですね… (2022年7月18日 18時) (レス) id: f1e07720ab (このIDを非表示/違反報告)
むー(プロフ) - ふへ…ふへへ…(キショ)すごい好きです…!knmtの解釈一致すぎてもう最高です、神作をありがとうございます…!!! (2022年7月13日 22時) (レス) @page48 id: c6860a711c (このIDを非表示/違反報告)
199594198593(プロフ) - 番外編まで最高だァ… (2022年7月12日 9時) (レス) @page48 id: d656d21813 (このIDを非表示/違反報告)
せそ(プロフ) - ミウラさん» コメントありがとうございます!大好き嬉しいです〜!番外編まで読んでくださってありがとうございます!あと数話お付き合いください💖 (2022年7月4日 0時) (レス) id: f1e07720ab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:せそ | 作成日時:2022年4月12日 18時