大正がやがや小話(忘れてたとは言わせない。2) ページ46
『…見てるよ
ちゃんと見てる。
それに頼りにだってしてる。』
炭治郎がそこまで考えているとは思っても見なかった。
…最終選別の時は確かに炭治郎とは一緒に行動しない事は決めていたけど…いや、血に関しても史書と同様に黙っとこうーとか思ってたな…………なんか、ごめん…炭治郎…
…どうやら私は炭治郎の我慢スイッチを見事に踏み抜いてしまったらしい。
頰に添えられた手の上から私の手を重ねた。
豆だらけで傷だらけで自分のよりも少し大きな掌だ。
だんだんと炎の揺らぎは大きくなる。
『…私が最終選別の時に相談しなかったのは、炭治郎くんと一緒に行動すれば私が足を引っ張ってしまうと思ったから。
血の事は…心配を掛けたくなかったから…ごめん。』
炭「俺の事を思ってくれた結果だったとしても、
それは全く嬉しく無い。
あの7日間、俺は毎日Aの事が心配で堪らなかったんだ。
探しても探しても見つからなくて、もしかしたら…って思うと胸が張り裂けそうだった。
…血の事もあんなに大切な事を俺はあの時まで知らなかった。
大切なんだ、Aの事が。
禰豆子と同じように、大切な俺の家族なんだ。」
『(…あ…炭治郎泣きそう…)…ごめん。』
炭「…お願いだから、隠し事はもうよしてくれ…」
『…ごめん。』
Aはそっと炭治郎の頰に手を持っていった。
自分の小さな手で炭治郎の涙をそっと拭き取る。
炭「…まだ、何か隠している事があるんだな…
…すまない匂いで分かってしまうんだ。」
炭治郎はそっと睫毛を伏せ、それまで合わせていた瞳をAから外した。
『…隠し事、あるよ。
でもまだそれは言えない。(史書のことはまだ…)』
Aは、いつも炭治郎がしてくれるように
炭治郎の顔を引き寄せおでこをくっつけ、次から次へと流れ出る炭治郎の涙を小さな手で拭った。
『その時が来たら…必ず言うから。
だから…』
ひと呼吸置いて炭治郎はそっと顔を上げ、Aを見つめた。
炭「……必ずだな…分かった。」
きっと腑に落ちてはないんだろう。
炭治郎は鼻をズッとすすって弱々しく微笑んだ。
炭「…今日はもう寝よう…
こんな時間まで起こして悪かった。」
『うん
…おやすみ』
目を赤くした炭治郎は自分の布団に身を沈ませた後そっと手をこちらに出してきた
炭「手を…繋いで寝てもいいか?」
『…いいよ』
Aは布団をそっと寄せた。
繋いだ炭治郎の手はとても暖かかった。
大正がやがや小話(忘れてたとは言わせない(完))→←大正がやがや小話(忘れてたとは言わせない。)
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かなみ(プロフ) - #egg/たまごさん» 書いてて自分でも恥ずかしくなるくらいとんでもねぇ長男です(笑)こちらこそ、お立ち寄りいただきコメントまでいただいてありがとうございました!!これからも頑張ります!!! (2020年3月9日 1時) (レス) id: b605df076c (このIDを非表示/違反報告)
#egg/たまご(プロフ) - とんでもねぇ炭次郎ですね!(最上級の褒め)素敵な小説ありがとうございます!更新頑張ってください! (2020年3月3日 9時) (レス) id: fef018cdc2 (このIDを非表示/違反報告)
かなみ(プロフ) - くりりんさん» めちゃくちゃ返信遅くなってすみません!コメントありがとうございました!!これからも頑張って更新かけていきますので、どうぞよろしくお願いします!!! (2020年3月1日 23時) (レス) id: b605df076c (このIDを非表示/違反報告)
くりりん - コメント失礼します。これから主人公はどうなっていくのか楽しみです!ワクワク(*'▽'*)炭治郎が距離感近いのもドキドキします(//∇//)これからの展開も楽しみにしてます!!更新頑張って下さい!!! (2020年1月8日 8時) (レス) id: c6b331e09a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かなみ | 作成日時:2019年11月22日 0時