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Aがそうこう考えているうちに説明がいつのまにか終わり、みんながそろそろと森へ入っていった。
炭「…俺たちも行こう。」
Aと繋いだままの手をそのままに炭治郎は一歩踏み出した。
じゃりっと砂を踏みつけた音が2人の間に響く。
『ごめん(ここから別行動にしよう)
…炭治郎くん、また後で、』
狐のお面を被っている彼女はこちらに顔をあげ小さく呟いたかと思うと、炭治郎の手を払いのけ森へ走って行ってしまった。
炭「まっ、待って!!!」
急いで腕を伸ばしたが間に合わなかった。
彼女の手を掴み損ねた左手は、彼女が走って行った方向へ宙を彷徨っていた。
。。。
炭治郎に追いつかれぬようにAは森を駆け抜けた。
『(勢い余って炭治郎くんの手払い退けちゃった…
でも、ちゃんと伝わったかな…)』←残念ながら言葉足らずで伝わらず
足を止める事もなく森の奥へと進みながらも先程のことを思い出し、推しの手を払い退けてしまった事への罪悪感が蘇るA。
空気中に血の匂いを感じながらも、鬼に出会うこともなくかなりの距離を走っていた。
「おい、見ろよ!
あいつ稀血だぜぇ」
「しかも弱っちそうな子どもじゃねぇか!!」
『うおっ、(2体一気に来るのは流石に無理!)』
走り込んで30分経った頃、Aは初めて鬼に出くわした。
久々に見た鬼に心底びびりつつ、
ゆらりゆらりと近づいてくるそれらに目をやると口の端は赤黒く染まっているのが目についた。
『(…ごめんね。間に合わなかった。)
…一瞬で終わらせる。痛くはしない。』
冷静さを取り戻したAは左腕に鼠色の刃を当てると、力一杯にその刀身を引いた。
刃が紅く染まり、ポタリと地面へ血が流れ落ちる。
「…いい匂いだ
稀血に会えるなんぞ、今日の俺はツイてるな…」
「ついてるな!」
クククっといやらしい笑みを溢した鬼たちは、
勢いよくこちらに手を伸ばしてきた。
『血の呼吸…碌ノ型 波紋血泉!!!』
シンと静まり返った森に
ぼとりと大袈裟な音を立てて鬼の腕が地面に転がっていた。
「このくそガキィィ!ころしてやr」『血の呼吸…』
『…壱ノ型 血 時雨!!』
鞘に刀を戻したと同時に、
鬼は斬られたその首から血飛沫をあげていた。
Aは自分の体に鬼の血が飛んで来ようとも気にせずその場に立ち尽くしていた。
『…ごめんね。』
徐々に消えていく鬼の体を見つめ、Aはそっと手を合わせた。
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かなみ(プロフ) - #egg/たまごさん» 書いてて自分でも恥ずかしくなるくらいとんでもねぇ長男です(笑)こちらこそ、お立ち寄りいただきコメントまでいただいてありがとうございました!!これからも頑張ります!!! (2020年3月9日 1時) (レス) id: b605df076c (このIDを非表示/違反報告)
#egg/たまご(プロフ) - とんでもねぇ炭次郎ですね!(最上級の褒め)素敵な小説ありがとうございます!更新頑張ってください! (2020年3月3日 9時) (レス) id: fef018cdc2 (このIDを非表示/違反報告)
かなみ(プロフ) - くりりんさん» めちゃくちゃ返信遅くなってすみません!コメントありがとうございました!!これからも頑張って更新かけていきますので、どうぞよろしくお願いします!!! (2020年3月1日 23時) (レス) id: b605df076c (このIDを非表示/違反報告)
くりりん - コメント失礼します。これから主人公はどうなっていくのか楽しみです!ワクワク(*'▽'*)炭治郎が距離感近いのもドキドキします(//∇//)これからの展開も楽しみにしてます!!更新頑張って下さい!!! (2020年1月8日 8時) (レス) id: c6b331e09a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かなみ | 作成日時:2019年11月22日 0時