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炭治郎side


鍛錬を終えた後、俺は直ぐに家へ帰ってきた。
家に居るAの事を気にするあまり、今日は鍛錬に全くもって身が入らず錆兎に何度も太刀を受けた。

炭「(なぜあんな悲しそうな顔をしたんだ…)」


…鍛錬中に考え事をするなど良く無いと分かってはいたが、どうしてもAの表情が頭から離れなかった。



。。。








炭「Aー!どこに居るんだー!」


鱗滝さんにAを迎えに行くように言われ家を出たが、外はしんと静まり返っていた。
いつもなら匂いを辿りAを見つけることなど容易いのだが、今日に限ってなかなか見つからない。



…自分が居ない間に、一体何を話していたのだろうか。
あの時、真菰に呼ばれ錆兎とAのもとに駆けつけた時には既に鬼は何者かの手によって処分され、その傍らには左腕から大量の血 を流したAが倒れていた。
全身の血が引いた気がした。
それからの事はあまり覚えてないが、兎に角無我夢中だったのは記憶にある。








家の裏手へと回ったとき、探していた少女を見つけた。
少女は、こちらに背を向け小さな切り株の上にこしかけていた。


炭「見つけた」

『…見つかっちゃった』

そう答えたものの、小さな背中をこちらに向けたまま動こうとはしない彼女に俺はゆっくり近づいた。
あと数歩のところで彼女の匂いが鼻に戻ってきた。

炭「(…苦しい、匂いがする)

A…一緒に帰ろう?」


『…うん!』


そう言っていきなり立ち上がったかと思うと、
とびきりの笑顔でこちらに向き直った。
まるで心を隠すかのように…

『迎えにきてくれてありがとうね!

鍛錬終わりで疲れてるのにわざわざごめんね?



…あ、ここ擦りむいてるよ?ここも!

家に着いたら手当しなきゃね!!』

普通の人ならきっと気付かないのだと思うが、俺は鼻が効くおかげで、笑顔の仮面を被り感情を押し殺 し嘘をつているのが匂いで分かってしまう。

炭「…君の方が何倍も重症だろう。
家に戻る前に話したい事がある、聞いてくれ。」


『…なぁに?』


炭「…今日、俺が鍛錬に行く前に言った事覚えてるか?」

俺の声は震えていたかもしれない。
少し間を空けてAは小さく息を吸った。


『…約束はできないよ、炭治郎くん。』






俺の心臓はまるで刀で抉られたように痛んだ。
しかし、続いた言葉は俺の想像していたものとは違っていた。

『…私ね、鬼殺隊に入ろうと思うんだ…

だから、炭治郎くんとの約束はできない』

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設定タグ:鬼滅の刃 , トリップ , 竈門炭治郎   
作品ジャンル:アニメ
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かなみ(プロフ) - #egg/たまごさん» 書いてて自分でも恥ずかしくなるくらいとんでもねぇ長男です(笑)こちらこそ、お立ち寄りいただきコメントまでいただいてありがとうございました!!これからも頑張ります!!! (2020年3月9日 1時) (レス) id: b605df076c (このIDを非表示/違反報告)
#egg/たまご(プロフ) - とんでもねぇ炭次郎ですね!(最上級の褒め)素敵な小説ありがとうございます!更新頑張ってください! (2020年3月3日 9時) (レス) id: fef018cdc2 (このIDを非表示/違反報告)
かなみ(プロフ) - くりりんさん» めちゃくちゃ返信遅くなってすみません!コメントありがとうございました!!これからも頑張って更新かけていきますので、どうぞよろしくお願いします!!! (2020年3月1日 23時) (レス) id: b605df076c (このIDを非表示/違反報告)
くりりん - コメント失礼します。これから主人公はどうなっていくのか楽しみです!ワクワク(*'▽'*)炭治郎が距離感近いのもドキドキします(//∇//)これからの展開も楽しみにしてます!!更新頑張って下さい!!! (2020年1月8日 8時) (レス) id: c6b331e09a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:かなみ | 作成日時:2019年11月22日 0時

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