テッペン1 ページ1
2017.07.29.
カーテンの隙間から差す光で自然と目が覚める。
夏真っ盛りの朝にしては温度も湿度も丁度良くて、セミの声すら心地いい。
美人の奥さんが朝ごはんを香らせている程優雅では無いけれど、それでも万人にとっては余程 快適な朝に違いない。
けれど、その万人に俺は含まれていないようだった。
突然 襲って来た頭痛に、俺は再びベッドに倒れた。
今日は流星と2人で大事な打ち合わせがある。
休むわけには…いかへん。
俺は這うようにベッドから立ち上がる。
いや、立ち上がろうとした。
けれど左足に力が入らず前へと倒れた。
「……っ痛…」
咄嗟のことで上手く手をつけず、左手首を挫いた。
とりあえず側にあったキャビネットに右手を掛けて立ち上がる。
手首を回してみると少し痛むけど、
「ま、いけるな。左やし。」
ただ、相変わらず左足には力が入らへんくて、仕方ないから右足に体重をかけてノソノソと歩く。
そんなこんなしていると、さっきの頭痛は虚妄であったかのように治まっていた。
・
こんな時に限ってエレベーターは点検中。
しゃあないから、8階分、泣きそうになりながら階段を降りた。
エントランスまでやっとの思いで到着すると、外にマネージャーの車が見えた。
・
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ひよるる(プロフ) - この話大好きです!更新楽しみにしてます! (2019年4月29日 1時) (レス) id: 96d08cfe7e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なすくん | 作成日時:2018年9月27日 19時