傷つかないで2 ページ3
私は二年生達と別れ、一人で桜並木を歩いていた
…この十二年間で、一番綺麗な桜かもしれない
なんて、毎年思っているようなことを今年も思ってしまった
「あ、桜の花びら…」
今はちょっとしか散っていない花びらに手を伸ばす
横を見ると、私と同じように桜に手を伸ばしている女の子がいた
確か…同級生の高安さん?
「この桜、綺麗だよね」
「え、あ、うん。私もそう思う…」
私が話しかけると、彼女は困ったように言葉を返した
……嫌だったのかな?
「急に話しかけてごめんね。じゃあ」
「べ、別に大丈夫!じゃ、じゃあね」
嫌ってわけじゃないみたい
私は高安さんと別れて、学校に向かった
「おはようございます」
私は、黒板にかかれている自分の席を確かめる
窓側の真ん中らへんの位置だ。隣は…戸村くんか
戸村くんはいつも一人で絡みづらいから正直ちょっと苦手だ
でも、戸村くんって一人で寂しくないのかな?話しかけた方がいいかな?
んー、でも嫌がられるかも…
まぁ、とにかく座ろう
私は特に何もすることがないので座ることにした
…暇だな〜
次の瞬間、隣からガタッという音がした
戸村くんだ…乱暴だな…
…挨拶した方がいいよね?最初が肝心っていうし…まぁ、この六年間戸村くんと話したことないけど
「おはよ、戸村くん」
「…はよ」
せっかく挨拶したのになんで適当な挨拶なの?
という不満は心のなかにしまっておくことにした。それが一番だよね
「戸村、ちゃんと挨拶してやれよ。篠塚不満そうだぞ?」
「…おはよう、篠塚」
多田くんが助け船を出してくれたけど、明らかに戸村くんは面倒くさいとでも言いたげな顔だ
…急に多田くんが話しかけてきたな。コミュ力高い…
これが世に言うりあじゅうってやつかな。と一人納得する
りあじゅうって聞いたことあるだけで意味は知らないけど
真咲がよく言ってたんだよね
りあじゅう、つんでれ、やんでれ、ちゅうにびょう、ふじょし、びーえる、じーえる…
なんか、聞いたことない言葉ばっか聞かされて、お姉ちゃんに聞いてみたら私は知っちゃダメって言われた
なんなんだろうね。りあじゅうやらつんでれやら…
そんなことを考えていたら先生が来てた。もうすぐ始業式だって
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作者名:夢の中にいる名無しモブ | 作成日時:2018年6月15日 19時