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入学式から少し経って、
委員会決めや係決めなどがあって。
私は中学時代は図書委員をしていたから、
図書委員になった。
委員会活動はクラス全員必ず、というわけでは
なかったので、有志くんは
｢申し訳ないけど、バレー一筋で行きたいから｣
って立候補はしてなかった。
しゅんとした顔をしていたので、
『私が有志くんの分も頑張るから』と
言ったら、｢それやったら安心やわ｣って。
入学式から数日間は早く帰れる日らしいので、
委員会などを決めたり、やることを
終えたら速やかに帰宅するよう言われている。
.
｢そういえばAって最寄りの駅どこなん？｣
帰る時間になり、優奈ちゃんは
チャリ通だから！と言って先に帰ったけど、
私と同じく有志くんは電車通学らしく、
最寄り駅はどこか、と聞いてきた。
『最寄り？**駅だけど…………』
私がこたえるとちょっとびっくりしたような顔で
｢え、俺そこの駅で乗り換えするんやけど！｣
『えっ、そうなんだ！でも1回も会ったことないよね〜』
｢せやな……あっ、それ絶対俺の方が多分家出るの
遅いからやわ。 ほら、Aの方が
いつも学校着くの早いやろ。｣
『あぁ、確かに！そうかも……』
確かに、有志くんは私よりも10分ほど後に
教室に入ってくることが多い。
………といっても、私が教室にはいる時は
数人くらいしかクラスの人はいないけど。
自分の中で勝手に納得していると、
有志くんが、
｢な、今日一緒に帰ろ、｣
と言った。
『え、いいの！？』
私は中学など含めて今まで1人で登下校していた為、
ちょっとテンション上がり気味に返事をした。
｢はは、良いも何も俺が頼んだんやし。
あっ、もしAが嫌なら別に……｣
『全然……！やじゃないよ。お願いします。』
頭を下げてお願いしますと言うと、
有志くんは｢堅苦しいわ！｣といって
私のおでこを小突いた。
学年担任の先生が｢お前らはよ帰らんか！｣と
まぁまぁすごい形相で怒ってきたため、
｢Aいそご！｣と有志くんが
私の手首を掴んで走り出す。
.
会って数日、たった数日なのに。
有志くんのこと、気になり始めてて、
優しく、でもしっかり掴まれた手首には
有志くんの手のあたたかさを感じる。
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作者名：ばばば | 作成日時：2019年12月11日 0時
