ころころわんこ《N.Y》 (ページ6)

今日:1 hit、昨日:5 hit、合計:69,963 hit

● ページ6

.

バレーの強い高校に進みたいって気持ちも、

正直に言うとあった。

でも、地元の高校もいいかなって

ここの高校を選んで。

至っていつもと変わらない気持ちのまま

高校に向かった。

同中のやつと適当に｢また一緒やな｣って話して、

入学式では校長の長い祝辞を聞いて。

.

入学式を終え、校舎内の廊下に貼りだされた

クラス表を見に行く。

周りよりも、俺は身長が高い方だから

人混みの後ろの方から探そう、と思い付き

後ろの方へ移動した。

＿＿＿その直後の話だった。

とんっと俺のお腹と胸辺りに軽い衝撃。

……周りと比べて身長が小さく

恐らく中学も違うであろう女子が、

人混みに押されて、俺のところに流れ着いたようだ。

くるりとこちらを振り向いたその女子は

｢ごめんなさい｣と一言、そして一礼。

ふっと漂った優しいシャンプーの香りと、

揺れるふわふわとした髪、

そして…………小さな身長が印象的だ。

｢…大丈夫？｣

俺は、彼女を壁際に押しやって人混みから遠ざけ、

彼女の苗字を聞いて、自分のと、彼女の

クラスを探した。

先に自分の苗字、｢西田｣を見つけ、

彼女の苗字、｢西野｣を探す。

と、彼女の苗字は、まさかのまさかで、

俺の真下にあるのを確認する。

何だかわからないけど、嬉しくなって

ぱっと彼女の方をふりかえって、

自分と同じクラスだったことを伝えると、

.

彼女は笑って｢ほんと！？｣と嬉しそうにした。

……可愛いなぁ。ただそれだけ、そう思った。