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どうしよう、だれと話そう、と思っていると
髪をポニーテールに結わえた女の子が
話しかけてきた。
「えーっと、座席表を見るに西野ちゃん、だよね?」
『あっ、うん!……えっと、ごめん、そっちは……』
「私、伊藤 優奈!えっとね、あそこの席に座ってるよ!」
優奈(ユナ)ちゃんは、あそこ!と
廊下側の3番目の席を指さした。
『優奈ちゃん!話しかけてくれてありがと。
よろしくお願いします……!』
優奈「固いなぁ、優奈でいいよ!
よろしく、A!」
『わかった!優奈!!』
まず最初に明るくて元気なお友達ができたところで、
お互い、他の子にも話しかけに言ってみることにした。
.
キョロキョロと辺りを見回していると、
先程の彼……有志くんがこちらに寄ってくる。
西田「さっきの子と仲良くなれたん?」
『あ、うん!伊藤優奈ちゃんって子でね、
話しかけてくれた!』
西田「良かったやん!俺も同じ部活入るかもって
奴らと話してきた!」
有志くんは、にこにこして喜んでいる様子だ。
『おぉ〜! 有志くんは部活どこ入るの?』
私がそう聞けば有志くんは驚いた顔をする。
西田「っえ、」
__何か、私がまずいことを言っただろうか。
『え、ごめん!何かまずいこと言っちゃった?』
西田「や、ちゃう!俺名前で呼ばれるの
少ないから、ちょっと驚いただけ!」
『そういうことかぁ…。
どうだろ、うちの中学とか小学校が
結構したの名前で呼び合う習性あったから……
あっ、全然西田って呼んだ方が良かったら
そっちに……』
思い返せばそうだ。
別に仲だって特別良くなくても
名前で呼びあってる感じだった。
西田「はは、そのままでええよ。
…あ、んでな、俺バレーやってて、
バレー部に入りたいと思っとるんよ。」
有志くんはふふん、とエフェクトが付きそうな
言い方で、自信満々にそう言った。
『バレー部……!確かに、有志くん身長高いし、
結構あってる感じするね!』
西田「ありがと、ま、これでも今のポジションじゃ
低い方やけどな。 」
有志くんはちょこっとだけしゅんとしたけど、
またぱっとした顔に戻った。
西田「でも俺、この高校そんなバレー強ないけど、
ここでバレーして、強豪校とかに勝てればなって
思ってるんよ。」
.
有志くんの表情は、変わらない笑顔だったのに、
何だか芯がしっかりしていて
重みのある、彼の気持ちが伝わってきた。
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作者名:ばばば | 作成日時:2019年12月11日 0時