ころころわんこ《N.Y》 (ページ27)

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明日の昼から練習があるから一緒に行こうと

有志と約束をして、一旦電話を切った。

メッセージのやりとりばかりだったから、

心地よく響く彼の低音の声が

すごく懐かしく感じてしまった。

『声も、好きだなぁ……。』

その日は、電話がきた幸せを

噛み締めながら一日過ごした。

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翌日、学校の制服に着替えて家を出る。

私の最寄り駅のホームで

待っていてくれるらしいので、ちょっと急ぎめに向かった。

『っあ、有志！ごめんね、お待たせ。』

西田｢さっき着いたとこ！ごめんなぁ
せっかくの夏休みやのに。｣

有志は、私の心配ばかりしてくれて、

気を使ってくれているようだった。

何分か待って、

学校の最寄り駅に向かう電車に乗り込む。

車内は人が多くて、手すりのある

端っこのスペースが確保できず、

2人でつり革のある辺りに立つ。

私は低い方のつり革には手が届くけど

高い方には手が届かないため、

どうしよう、と悩んでいると

背中に有志の手がまわってきた。

西田｢これでよろけたりせん？｣

やさしく笑って言う彼の手はやっぱり大きくて、

何だかそれにちょっとキュンとして、

彼の胸元に顔をうずめた。

｢甘えたやね、｣なんて言う彼は

ちょっと…………ううん、すごくずるいと思うの。