ころころわんこ《N.Y》 (ページ24)

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Aは起きるなり俺の言葉を聞いて、

しばらく動揺していたようだったけど、

はっきりと俺のことが好きだと口にした。

｢A、｣

俺もと口にしたかったけれど、

Aはそれを遮るように言葉を続けた。

『ｯ分かってるの。好きな人がいるんだよね。
…前に昇降口で有志くんを待って一緒に帰った日、
有志くん言ってたよね。
好きな子がいるからって。…それ分かってて
言うなんて、私………』

彼女が紡いだ言葉は、自身の告白を

否定するような言葉で。

俺は我慢がきかなくなって、口を開けた。

｢A！｣

『っなに？』

｢俺さ、好きな子いるって確かに言うたけど
……それ、Aのことなんよ。｣

『……え…？』

『クラス表見てたあの時からずっと気になっとった。
すごく謙虚で小さくて可愛い子やなって。
俺が守りたいなって思ってた。
………Aが好きです。
俺と付き合ってくれませんか…？』

俺がはっきりとそう口にすれば

Aは驚いたような顔をして

目からポロポロと涙を零し始める。

｢な、何で泣くねん…!｣

『ｯうれ、しくて……ずっと望みないって
思ってたから……。』

｢もー…そんなわけないやん。
ほら、泣かんとって。｣

ちょっとぎこちなかったかもしれないけど、

俺は身体の小さいAを

ぎゅっと抱きしめた。

すると、Aは俺の腕の中で

『有志くんすき、、』

と言う。

俺も、って言って長い間抱き合った。

……あー、ほんと幸せ。

.

こうして俺達は付き合い始めることになった。