ころころわんこ《N.Y》 (ページ19)

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あれからまた1ヶ月。

私の中で、有志くんへの想いは

どんどん大きさを増した。

彼が他の女の子に名前を呼ばれてるのを

見ているだけでもモヤッとするし、

話しているのを見るともっとモヤモヤする。

それに加えて、

有志くんは1年生にして、

8月の終わりごろ、夏休み中にある

夏の大会に出場するらしく、

部活が忙しくなって一緒に帰れなくなった。

西田｢ごめんA！部活遅くなるから今日も一緒に帰れん！｣

6限が終わり、バッとこちらを振り向いて

有志くんがそう言う。

『いいよいいよ！大会前だもん、忙しいよね。
部活、頑張ってね！』

私がそう返すと、

"バレーも楽しいけど、やっぱAと帰りたい！"

ってちょっと拗ねたように言う。

それが可愛くてつい、私は有志くんに

無理なお願いをしてしまった。

『っあ、あの、有志くん。』

西田｢ん〜？｣

有志くんはどしたのと

小首を傾げる。

『その…もし良かったら私、教室で部活終わるの
待ってちゃだめ…？
ｯあ、、やっぱ迷惑になっちゃう…………？』

西田｢全然！迷惑じゃない！！
けど、終わるの6時過ぎやし、
部活終わりとかめっちゃ汗くさいし、
それでもええの……？｣

有志くんは子犬のような顔をしてこちらを向く。

＿＿はぁ……本当に可愛いなぁ、有志くん。

『私が待ちたいんだもん！全然大丈夫！
今日の世界史の宿題やって待ってるよ。』

有志くんはそれなら、と待つことを許可してくれた。

帰りのSTが終わって、有志くんは

じゃあ今日はお願いな！って言って

体育館まで走って行った。

優奈がこちらに来て、｢何がお願いなの？｣

と聞いて来たので説明すると、

私が有志くんの事を好きなのを知っている為、

｢きゃ〜！いいじゃん！2時間は長いけど、
頑張ってね……！｣

とテンション高めに言って、優奈は

私は帰るね、と言って帰っていった。

他の子達も、部活や帰宅のためにゾロゾロと

教室を出ていき、

数分後には私1人になった。