■※ ページ16
※先程と同様の描写が含まれます
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乗り換えの駅から、学校の最寄り駅まで行く電車は、
今日はいつもより混んでいた。
俺は手すりのある場所を確保し、
そこにもたれかかりながら、
スマホを操作する。
憧れている、石川祐希選手のネットニュースの
記事や、SNSを飽きもせず毎日電車内で
チェックしている。
今日も石川選手、かっこいいなぁ なんて
記事を見ながら思っていると、
俺のブレザーを誰かがクイクイっと
引っ張っているのに気づく。
普通にたまたま、とかじゃなくて
故意的なものだと感じて
そちらを動きにくいなか何とか振り向くと、
そこにはAがいた。
……え、何で?いつもは俺が乗り換えするより
一、二本は前の電車に乗るのに。
嬉しい気持ちを抑えて話しかけようとすると
Aは目を瞑ってスマホをこちらに向けている。
角度や高さからして、俺に見せているようだったので
画面をちらりと覗くと、
『うしろの人にち.かんされています』と
メモアプリの画面に書かれていた。
は? と思ってAの後ろの人物を見れば、
荒い呼吸で、Aの下半身を触っている
中年で太ったスーツの男。
やっと状況把握ができたので、
分かったよ、と伝えるため
目をつぶったAの腕をとんとんと叩き
OKサインを指でつくる。
___俺だとは気付いていないらしい。
そして俺は、下半身を触り続ける
男の手首を、下半身から遠ざけて
ガッシリと握る。
俺の手から逃れようと必死に力を込める
男の手は、俺の握力によって
抑え込められた。
学校の最寄りに着き、ドアが開くとその男は
一目散に逃げようとしたので、ガシッと手首を掴み、
俺はAと、その男と電車を降りた。
男に、
「前の女子高生のこと、触ってたよな?」
と問い詰めると、焦りながら知らないというので、
Aに「この人?」というと
こくこくと必死に頷いている。
俺はホームにいた駅員に、事情を説明するため、
2人を連れて駅員に話しかけた。
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作者名:ばばば | 作成日時:2019年12月11日 0時