季節カレシ

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―――――１か月前





「……に、にろ、放課後ちょっと顔貸してよ」



「なんでチンピラ口調なんだよ」




「ふっふっふ。


びっくりしてその前髪抜け落ちても知らないからね〜？」





ふふん、と鼻を鳴らすと




「んな部分的に抜けるか!!!!!」


「あいたっ!!!!!」





ズビシッ、とにろのチョップが私の頭に垂直に落下。





「〜〜〜〜〜っ!!!!!!」








後からジワジワくる痛みに悶絶していると、




「今のうちに胃薬買っとくかな〜」





と、少し意地悪な声が聞こえた。





ふっふっふ。


今の私にそんな嫌味は通じないのだよ二口くん!!!!





あまりのおいしさにカカオを生み出した農家の人を思わず尊敬しちゃうから!!!!!





昨日作ったガトーショコラの味を思い出して、



もう一度ふふんと鼻を鳴らした。









………のに。









「…………にろ、ごめん……………」





帰りのＬＨＲ終了後、


大はしゃぎで帰る支度を済ませ、にろのもとまで走る。






と、思ったより前に出ていなかった自分の足に思いっきり引っかかり、


あろうことかその勢いのまま教室の床に顔面スライディングアタック。








同時に鞄は私の下敷きになり、


ガトーショコラと私の心は粉々に砕け散ったのだった。

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