季節カレシ

9月カレシ【月島蛍】 ページ34

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闇を連想するような空に

爛々としている月。



周囲に疎らにちらつく星は

月をより一層美しく見せていた。








「蛍、見て見て!」



「心配しなくても見てるよ。」

「まさに十五夜!って感じだね!!」



「まぁ、そうかもね。」









私の彼氏こと月島蛍は大して

興味もなさそうに冷たく言い放つ。



俗にいうクールや冷静沈着、の言葉は

まさに彼の代名詞と言うわけなのだ。









「団子も作って雰囲気も･･･って、あ!」



「何。」

「団子食べないでよー」



「いいじゃん、美味しいし。」

「お月見だからメインは月だよ!」









花より団子･･･ではなく

月より団子、と言う事だろうか。








「ちゃんと月も見てるから。」

「もー････」








こう見えて彼は甘いものに目がない。





そんなギャップに弱い私が彼に

怒れるはずもなく･･･


結局言い争いも毎回平和に

片付いてしまうのである。








「月見酒なんてしてみたいね。」




「そうだね、しよっか。」

「私達まだ未成年だけど･･･?」



「大人になったら、の話ね。」

「蛍も一緒にしてくれるの?」





「仕方ないから付き合ってあげる。」









普段は冷たい彼だけど

意外にも根はとても優しい。





今の会話のようにさりげなく

将来の事を考えてくれている発言に


私は結構大切にされているのかな

なんて、内心で彼への愛おしさが増す。









「ふふ、」



「何笑ってんの。」

「なんでもなーい。」



「ﾌﾟ、変なA。」








愛情が次々と溢れ出てくる感情を

きっと幸せと呼ぶのだろう。



愉快そうに口元を緩める彼に

また一つ「好き」が増えた。









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