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『よろしくねー』
前とは変わった気だるげな喋り方。
目の前には前より白くなった肌で少し痩せたように感じるA。
腰には今まで使った事がなかった刀がぶら下がっている。
総悟『ホントにいいのか?』
『いーのいーの、だからさっさと行ってきてー』
そう言って目の前にある白い扉へと俺の背中を押す。
押す当の本人は前とは違う真っ白な髪。
普通の街中なら避けるだろうが、ココはあいにく病院だ。
だからみんな気にしない。
まぁ兄貴の主治医って奴からは、早急に入院しろと言われたが、本人は入院するつもりはないらしい。
総悟『兄貴、心配してるぞ。もう5日顔見せてねぇんだぞ』
『・・・見せられるなら見せてるっつーの』
そう言って行ってしまった。
まぁそりゃあそうかもしれない。
あんな姿見せちまえば、白詛にかかりましたって言ってるようなもんだ。
総悟『5日であーも変わっちまうたぁ・・。病気ってーのは恐ろしいな』
俺は呟くと目の前の扉をノックし中に入った。
?『よぉ・・・今日も一人か?』
中に入れば真っ白の頭で真っ白な肌の
総悟『よぉ、クソ兄貴』
兄貴が横になっていた。
新海『おぃ・・いつになったら妹ちゃんは来るんだよ。ホントに仕事か?』
兄貴は発症して10日。
もうほとんど起き上がる力なんかない。
総悟『仕事って言ってんだろ』
新海『だったら・・なんで、急に・・来なくなった』
総悟『急な仕事だったんだよ。仕事には付きものだろ?』
そう言って俺はゆっくりと近くの椅子に座った。
新海『・・・いつ、顔見せに来てくれるんだよ・・。俺はいつまで目が見えるか、生きていられるかわからないのに・・』
座る俺に向かってなのかわからないが、天井を見据えて兄貴は言った。
やっぱり無理矢理でも引っ張ってくればよかったと後悔する。
新海『・・まさか入院とかしてないよな?』
俺と同じ白詛にかかったとかじゃないよな?と兄貴は問う。
総悟『当たり前だろ?お前みたいにAがそんなヤワなわけねぇだろ?』
Aとの約束通り、俺は兄貴に嘘をついた。
絶対に兄貴に白詛になったことは言わないでほしいと頼まれたからだ。
新海『そうか・・それならいいけど・・』
総悟『さてと、俺も仕事があるんで行きやすね』
そう言うと俺は立ち上がる。
新海『・・・沖田』
明日は妹ちゃんを連れて来てくれよと兄貴は真っ白な顔で微笑んだ。
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ユズ風呂(プロフ) - 完結編でぶっちゃけ夢主ちゃんの格好何に似せたんですか? (2019年4月28日 16時) (レス) id: 8ff75eaee8 (このIDを非表示/違反報告)
沖田いずみ(プロフ) - 紫蘭さん» リクくれて始まりも遅かったのにそう言われて頑張れます!!涙腺崩壊しちゃってください笑笑 (2017年12月3日 21時) (レス) id: 028374920b (このIDを非表示/違反報告)
沖田いずみ(プロフ) - りんごあめさん» そう言ってもらえると頑張れます!!長引いてますがよろしくお願いします!! (2017年12月3日 21時) (レス) id: 028374920b (このIDを非表示/違反報告)
紫蘭(プロフ) - 逆にもっと長引いてほしいです。切実に…笑 毎日毎日涙腺と格闘してます…もう悲しくて悲しくて…。 引き続き頑張って下さい!! (2017年12月2日 23時) (レス) id: 684ce788b1 (このIDを非表示/違反報告)
りんごあめ(プロフ) - むっちゃ好きです!むしろ長引くほどいずみさんの小説読めるので嬉しいです!1日の楽しみになってます!応援してます!! (2017年12月2日 23時) (レス) id: 7b8fac289e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:沖田いずみ | 作成日時:2017年11月5日 22時