ホットチョコレート。Ren.Nagase

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「なぁ、ほんとに行くん？」




『バイトだから仕方ないよ。』




「…早く帰ってきて。」




『早く帰ってくるから、いい子にしてて？』








なんて言っていたのに、いい子じゃないのは私だった。


バイト帰りに岸くんと話していたら飲みに誘われて、
約束を忘れていた私はすぐ了承してしまった。




夜中に家に帰ると、完全に怒っていた廉。





「Aの嘘つき、。」




『ごめん！約束守れなくて。』




「いい子にしてって言われたからLINEも送らんかったし静かにしとったけど、心配になるやん。」




『ごめん、。』





こっちを向いてくれない廉に何度も謝るけど一向に許してくれる気配はない。


しばらくすると、廉が口を開いた。






「…本当は謝って欲しいわけじゃない。」







「嫌なんやって、、岸くんが。」





何を言ってるか分からないくて首を傾げると、廉は頭を搔いて下を向く。




「岸くんと一緒におったのが気に入らん！」





"Aなんて嫌い。"って言いながらも抱きついてくるなんて矛盾してる。





「酒臭いのも嫌や、ほんと。」




『…どうしたら許してくれる？』




「ん、、一緒にお風呂入ってくれるんなら許す、かも。」





いつもだったら断るけど、今回ばかりは私が悪いだけだからひとつ頷くことにした。

するとぱぁっと明るくなる廉の顔。





「……いいん？」




『今日だけ、ね。』





声に出して喜ぶから、幼稚園児みたいで可愛いなぁ、なんて思ってしまう。

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