sweet memory

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キャップをしてるし
黒マスクもしてるから
目と鼻筋しか見えないんだけど


それでも、わかる。


このひと、すごく綺麗な男のひとだって。


・・・って、見とれてる場合じゃない。


「ごめんなさい！ど、どうぞ！」


よく分からないまま、フルーツを彼に譲って、
とりあえずその場を離れた。


早く帰ってくれないかな、


ドキドキと焦りとでパニック状態。


男のひとふたりが
レジで会計してるのを見計らって


おそらく残されていたフルーツを手に取った。


買わないでいてくれたのかな？
それだったら、申し訳ない事しちゃったな。


少しだけ罪悪感を心に残しつつ
コンビニを出たその時。


あのふたりが、外にいたんだ。


『ねえ、おねえさん。
このあたり、女の人ひとりじゃ危ないよ。
良かったら、送らせてくれないかな？』


・・・いや、待って。


わたしからしたら、貴方たちといる方が危ないよ。


「いえ、すぐそこのマンションなので
大丈夫です」


そう言って、足早にふたりの横を駆け抜けた。


そしたら
サングラスの方が


『大丈夫だから、ちょっとついてきて。
絶対に誓って危ないことはしないから』


そう言って、わたしの手を引っ張って
歩き出した。


・・・ど、どういうこと！？

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