好きになっても【白膠木簓】

♯１０ ページ12

「どこ情報です？それ」


「さぁな…？風の噂や」



知らなかった…

マネージャーとして、業界の裏情報などはある程度知っておきたいものだが、なんせ他人に興味が無いもんで



「自分と簓さんくらいしか考える余裕ないや…」


「そらどういう意味や」


「容量悪いってこと」



はぁ…とため息をつけば、幸せ逃げるで〜なんて隣で笑う簓さんにまたため息がもれそうになる



「俺があの子について行ってしまうじゃないか〜って不安だったん？」


「…それはちょっと違う」


「じゃあ何を思ったん」


「向こうがついて来そうで怖いなって
ああいう子は頭いいから…」


「俺もアホちゃうで」



知ってますよ、と言えば
ならええけど、と返ってきた


分かってる、この人がアホじゃない事くらい


何も考えてないようで考えまくってて、隙がないって事も

ちゃんと分かってるのに



「でもやっぱり不安」


「そんなに俺信用ない？」



少し寂しそうにする簓さん



「そうじゃなくて、弟切が危なっかしい」


「…まぁ、マネちゃんが信用してくれてるなら、俺は裏切ったりせぇへんよ」



そう言うと軽く頭を撫でてきた

あー、この人って本当に賢いんだな



「頼みますよ」



モテへんゆーてたのはどこの誰？



「任せとき」



不安だ

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