きみを唄う (ページ4)

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JK「いやあ、この前はすみませんでした」

『こちらこそお見苦しいものを…』

私の隣で段ボールを持ちながら

階段を一緒に上がるジョングクさん。

…どうしてこんなことになってるのか。

それは十数分前に遡る。

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『あーやっぱエレベーター使うべきだった…』

ゆっくり行こうと思って階段で登ること数分、

早速その判断を後悔し始めていた頃。

よく考えればそうだよね、

なんでこんな重い段ボール抱えてんのに
階段で行こうなんて思ったのか

アホなのか、うんアホだな。

あー、あと少しで半分くらいかな？

なんて思っていた時に、

どこからかバタバタと騒がしい音が聞こえた。

どんどんその音はクリアに、近づく気配がしたけど

あいにく私の目の前には2段に重なる

段ボールがあって何も見えない。

その音はどんどん近づいてきていて、
ちょうど角を曲がろうとしていた時、

JK「うっおわあ！！！？」

『うぎゃっ』

見事にぶつかり階段から落ちそうになったところを

間一髪、助けてくれたのはジョングクさんだった。

JK「あっっぶね…すみません！大丈夫ですか、？」

『あ、はい、すみませ…え…ジョングクさん…』

JK「……あ、あ！ああ！あの時の！」

『あああ忘れてくださいこの前はすみませんでした」

かくして私たちは奇跡的にも出会ったのである。

私の行き先を伝えると、

JK「お、そのオフィスの階に練習室あるので

　一緒に行きますよ！それ持ちます！」

そりゃ遠慮したさ。でもウルウルな瞳に負けたんだわ

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そうして現在に至る。

我が社の宝とも言えるジョングクさんに、
なんてことをさせているんだろうか私は。

この代償を考えただけで身震いがしそうなので

早速考えることを放棄した私は
ジョングクさんと話しながら階段を上っている。

そして、話してみて分かったことがある。

JK「え？あのフィルムってまだ売ってるんですか？」

『いやあ、あれは手に入れるのに苦労しましたよ…』

共通の話題(カメラ)で盛り上がった私たちは、
案外気が合うようで。普通に友達になってしまった。

JK「こんな面白い人が事務所にいたなんて、

　もっと早く出会ってたかったです」

『天使なのかなジョングクさん』

笑いながらそう言うジョングクさん。
天使かあんたは。そうか、そうなんだな。

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