それぞれのかたち［短編集］

ｷﾞｬｯﾌﾟ 2 ページ9

DH「あぁ〜幸せだね」

「…どうしたの？笑」


私をぎゅっと抱きしめたままﾄﾞﾝﾍがつぶやく。




DH「だって…いつもはさ、
　 起きて、Aの寝顔をずっと楽しみたいけど、
　 その気持ちを押し切って仕事に行かなきゃいけないわけ、ね？」


「うん、」


DH「だから、こうして時間気にせず、
　 朝からAを味わえるのが、幸せ」

「味わえるって…」

DH「毎日こんな日が続けばいいのに…」

「それはしょうがないよ…無理だよ。笑」

DH「本当に無理かな？」

「え？」

DH「これ、」




手にひんやりとした感触。

ﾄﾞﾝﾍに、何かを渡された。



「え…な、にこれ」

DH「一緒に、住もう？」



手渡されたものは…鍵、だった。


DH「ﾏﾝｼｮﾝ、買った。一緒に住もう？」

「えっ、ちょっ…待ってよ、どういうこと？」

DH「どういうこともなにも、一緒に住む、それだけだよ」

「それだけって…そんな、」

DH「嫌なの？」

「嫌じゃ、ないけど…」

DH「俺は毎日、毎朝の、Aとの時間を
　 もっと楽しみたいの、寝顔を眺めるだけじゃ、嫌なの！」




…ｷﾞｬｯﾌﾟ。

逞しい身体からは想像がつかない、
そんな可愛いことをｻﾗｯと言ってしまうﾄﾞﾝﾍ。


「…うれしい、ﾄﾞﾝﾍ、」

DH「ほんと？」

「うん、ありがとう…」

DH「A〜」


「…きゃっ、どこ触ってるの！
　ばかっ、…離して！・・やっ、」



…やっぱり、全然可愛くない。




fin,

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