それぞれのかたち［短編集］

雨の日 -YS- ページ28

窓の外から聞こえる雨音で目が覚めた。

隣にはまだ夢の中にいるジョンウン。



ーー雨かぁ…。





何も身につけていない姿の私たち。

布団から覗く彼の腕や胸板から、
昨晩のことを思い出して……

カーッと顔が熱くなった。




かく言う私だって、勿論裸な訳で…
なんだか急に恥ずかしくなって、
彼と私の上に掛かる1枚の布団を、
ぎゅーっと手繰り寄せた。





YS「……ん、」


あ、起こしちゃったかな？




「おはよ…？」

YS「ん。」
「よく寝てたね？」
YS「久しぶりにシて疲れてたから」
「…ばか」


相変わらずストレートなその表現に、
どきどきさせられる。


…久しぶり、か。そっか。そうなんだ。


まぁ私も、そう。



1週間前に付き合ったばかりのジョンウンと、
昨日初めて一夜を共にした。




「ねぇ、雨降ってるよ」
YS「あーほんとだ」
「せっかくお休みだったのに…」



今日は私もジョンウンも仕事がお休みで、

だからもしかしたら、
どこかへ一緒にお出掛けできるかも、
なーんて思っていた。



YS「今日はずっと家に居るしかないな」
「…うん」



残念。
せっかくデートできると思ってたのに。
雨のバカ…。



YS「不満そうだな？」
「だって…」
YS「俺はお前と一緒ならなんだっていい」


そんな……。
それは私も同じ。



「私だって、そうだけど…」



でもやっぱり、
デートがしたい気持ちが強かったから、
まだ少し残念さはあって……。





ジョンウンはそんな私を、
ふわりと優しく抱きしめてくれた。




素肌が触れ合って…胸が高鳴る。

昨晩、身体を重ねたとはいえ、
まだ慣れないし、恥ずかしい。




YS「今日はずっとこうしていよう？」
「うん…」
YS「嫌か？」
「嫌じゃない…」
YS「ん、いい子だ」




嫌なわけない。






ずっとこうして抱きしめてくれるのなら…

雨の日だって、悪くないかも。




fin.

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