無一郎の大切な幼馴染み

笑顔 ページ33

無一郎 目線





無一郎「ねぇ、A。煉獄さん、目覚めたよ
Aのお陰で煉獄さんも復帰したんだ、心配しなくていい





だから……早く目、覚ましてよ。どうして、起きないの？」





僕は彼女の手を握りながら呟いた


あれから一ヶ月が経った

煉獄さんは昨日目覚めたのに、Aは未だに起きない



彼女が目覚める時までは、出来るだけ傍にいたいと思った

少しでも早く目覚めようにと祈った


でも俺の願いも空しく、彼女は何日経っても目を覚まさなかった



顔色は悪くない

呼吸も安定していて、心音も正常だ





しのぶ「無一郎くん、そろそろ任務ですよ
彼女が心配なのはわかりますが、貴方毎日来ていますよね。ちゃんと寝ているんですか？
そのままじゃ、Aが心配しますよ」



無一郎「………」



しのぶ「大丈夫ですよ、彼女が目覚めたら必ず伝えますから」





ただただ静かに眠っているだけだというのに、その瞳が開くことはなかった


だから不安になるんだ

このまま目を覚まさないんじゃないかって……



もし、彼女が目覚めなかったら

そうなら一体、僕はどうすればいいのか





無一郎「任務行って来るよ、また来るから
次来る時まではちゃんと起きてね」



しのぶ「………私だって怖いです。彼女は私達にとって、とても大切な存在なんですから」





部屋を出た後、そう呟く声が聞こえた





無一郎「………」





そんなこと、わかってるよ


彼女は僕にとって、皆にとって大切な存在だってことは……







《貴女『むいくん、おはよう！今日は一緒に紙飛行機作ろうよ！むいくん、凄く遠くに飛ぶから作り方教えて！
その後は、むいくんが好きなふろふき大根作ってあげる！』》







そう言って微笑む、君の顔が







………君の笑顔が早くみたいよ

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