無一郎の大切な幼馴染み

〃 ページ31

無一郎 目線





任務が終わった帰り道、僕の所にAの鴉が飛んで来た

鴉に彼女に何かあった時には、僕に伝えるように言ってある


一体、彼女に何が……





鴉「Aガ上弦ノ参ト交戦中！重症ノ状態デ、上弦ノ参ト戦ッテイル！！危険、危険！」





僕はその言葉に、頭の中が真っ白になった


でも瞬時に状況を理解し、走り出した

刀を握り締め、風のように駆けて行く



まさか、彼女が上弦と戦うなんて

それも重症の状態で……


彼女の任務には、十二鬼月が出るなんて言ってなかった



きっと、他の誰かが上弦と遭遇して……


何でいつも一人で無茶するんだよ



すぐに行くから、絶対に無事にいて

A……







・







・







無一郎「Aｯ！！！」





僕は到着する頃には朝日が昇り始めており、鬼はもういなかった

目に入ったのは血と人だかり


見覚えのある羽織に思わず視線を向ける







……Aがいた



彼女は血の池の中心にいた

隊服には血が染み、羽織もぼろぼろだ


傍には同じく重症を負っている煉獄さんがいた

Aとは違っていたのは、出血は止まっていたこと



まさかAが…！？


本人も重症なくせにｯ！





炭治郎「時透くん…」





誰だっけ……

いや、今はどうでもいい

速く彼女を……



僕は彼の言葉を無視し、Aを横抱きにして持ち上げた


身体はまだ温かい、呼吸もしてる

まだ、間に合う……





無一郎「何で彼女がこんな目に……ねぇ、君
もうすぐ隠が来る、煉獄さんの出血は止まってるから俺は先に戻る。早く彼女を、胡蝶さんに見せないと」





僕は彼女を抱え、急ぎ足でその場を後にした


一刻を争う状況だ

下手したら間に合わないかもしれない



頼む、無事で居てくれ……！


俺はただひたすら願うことしかできなかった





どうして……


どうして、彼女がこんな目に…



朝は僕の隣で笑顔だったのに


何で、どうして……





お願い、お願いだから



また、いつもみたいに笑ってよ





お願い、だから……

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