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「いやぁあぁぁ負けたぁぁぁぁ！！！」
「ははっ笑でもお前も早かったじゃん」
「惜しかったね〜笑」
必修100ｍの結果は1位シルク、2位もっきゅん、3位私。
1秒も差はなかったけどやっぱり悔しい。
「何をどうしたらあんなに速いの！？シルクとか頭おかしいでしょ！」
「悔しさが暴言に変わった笑」
「てかよしのめっちゃ汗かいてない？そんな疲れた？」
額からは滝のように流れる大量の汗。
手の甲で額を拭い、リュックからペットボトルを出し、口に水を含んだ。
「あんま無理すんなよ」
「うん」
それから個人種目、予選リレーを順々にやって行った。
おかしい。
予選リレーを走り終えた後、体の異変に気づいた。
大して疲れてもいないのに流れてくる汗。
鳴り止まない耳鳴りと、頭に響く頭痛。
こみ上げてくる吐き気。
何度飲んでも乾く喉。
重りがつけられたように重い体。
明らかにおかしい。
始まる時は特に何も無かったのに、必修100ｍを走ってからずっとこんな調子。
「…お前大丈夫か？」
「……ん、あ、ごめん。大丈夫」
鳴り止まない耳鳴りのせいで近い距離で喋っていても聞き取るのに時間がかかる。
「汗止まってねぇし顔も赤いよな。あとめっちゃ水飲むけどそんな喉乾くのか？」
ｷｰﾝ…
耳鳴りがさらに強くなる。
「え、なに？ごめん聞き取れない…」
自分が喋っている声さえも聞き取れなくなった。
あ、これやばいやつだ。
「おい、よしの！！」
「え？よしの！？」
肩にじんわりと痛みが広がる。
自分が倒れたってことを理解するまで、そう時間はかからなかった。
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作者名：ましろ | 作成日時：2018年6月9日 22時
