お兄ちゃん、おかしいよ？最終章【S.S】 (ページ17)

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116話ページ17

佐藤side

半分程刺さっていたナイフはやすやすと奥まで刀身を埋め込んだ。

佐藤「ッゔあああああああああ！！！」

余りの衝撃に絶叫する。

鋭利な刃が己の肉を、筋肉を、血管を切り離して行く。

健人「…フ、ハハッ…

アハハハハハハッ…！！死ね、死ね…！！」

“死ね”

そう何度も、何度も何度も叫びながらもっと深く埋め込むようにナイフを踏み付ける。

だが、永遠に続くかと思われた狂気の乱舞は突如終焉した。

佐藤「……？」

血と涙でグシャグシャになった顔をゆっくりと上げた。

貴方「…もう、もうやめてッ…！！お兄ちゃん！！

…お願いッ……！」

愛しいあの子が涙を溢れさせながら彼に必死でしがみついていた。

健人「…A、どうして？

Aの為に今こうやって俺とAの邪魔者を消そうとしてるんだ。

どうして、止めるんだ？

…それに、部屋から出ちゃいけないって、言ったよね？」

貴方「…何で！？何でそんなことするの！？
勝利君が邪魔な訳ない…！

…お兄ちゃん私のこと何も分かってない！！」

それを聞いて彼は儚げに微笑んであの子の頬に手をそえる。

健人「…A」

貴方「ッやめて…！！」

彼女はバッと手を振り払う。

A、ダメだ。

その先は、言っちゃいけない。

貴方「お兄ちゃんなんか……

…大っ嫌い！！！」