お兄ちゃん、おかしいよ？最終章【S.S】 (ページ16)

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115話ページ16

佐藤side

健人「…何言ってる？そんなことある訳無いだろ？」

佐藤「Aは俺に、言ったんだ…！

”たすけて“って…！！」

ピタリと作業を続けていた手が止まった。

それを聞いて彼の眼光がギラリと鋭くなった。

佐藤「…ッそれに、あんな鎖まで着けて！
どれだけAが傷付いたと……ッ！！」

そう途中まで言ったところで、いつの間にか立ち上がっていた彼に顔を蹴られた。

目の前が白く眩む。口の中であっという間に広がる鉄の味。

健人「…黙れよ。…もっと苦しめてからにしようと思ったけど、やめた。」

琥珀のような瞳を細め、抑揚の無い声で呟かれた言葉に冷や汗をかく。

ス、と視線を横にずらした先は半分程刺さったままのナイフ。

健人「先ずは、コレ。」

笑いを含んだ声でそう言った次の瞬間、ナイフの柄の部分を思い切り踏み付けた。

…頭がおかしくなりそうだった。