お兄ちゃん、おかしいよ？最終章【S.S】 (ページ12)

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111話ページ12

佐藤side

健人「…お前に聞きたいことがある。

………何で生きてる？」

片手で髪を掴まれ頭を上げさせられる。

そしてもう片方の手で口を覆っているガムテープを躊躇無く一気に引き剥がした。

剥がされて、口が自由になったことで今まで溜め込んでいた悲鳴が溢れた。

佐藤「…ッ、ゔああああ！！！ぐぁ、あ…っ！」

ガクン、と身体の力が抜ける。

どくりどくりと刺された箇所から血が溢れ出している。

何で俺…こんなことに。

…そうだ、Aを…助けに。

そしたら…頭殴られて……？

思考回路がグチャグチャになり、考えるのが酷く遅い。

ぼーっと意識が薄れていく。

健人「…煩いな。

質問に答えろよ」

無くなる寸前だった意識はその声と再び抜けそうになる程髪を引っ張り上げられた痛みで戻ってくる。

痛みに狂いそうになるのを必死で堪えて口を開く。

佐藤「ッお、前……誰だ…！」

そうしている間にもブチ、ブチと髪が数本抜ける。

痛みに歯を食いしばり目隠しの布の向こう側にいるであろう人物を睨み付ける。

健人「じゃあこの顔に見覚えは？」

そう楽しげな声が聞こえたかと思うと突如目の前が光に覆われ思わず目を細める。

段々と視界がはっきりして、声の主の姿が現れた。

佐藤「……ッ！？」

健人「お前が轢かれたのは俺が突き飛ばしたからなんだよ？」